“チャイナなう”編集室 当サイトへの広告掲載に関するご相談は編集室まで!

薬価低減提案が省で度々否決される


2011年12月1日、中国青年報

158

深圳市民の劉さんは、ちょっとした病気で病院に行く時、薬を処方してもらうが、すぐ病院で薬を買わないようにしている。病院の外にある薬局と病院の値段を比較し、薬局が安い場合は薬局で薬を買う。

これを繰り返しているうちに、劉さんは気付いた。薬局の薬の値段は病院よりずっと安く、劉さんはほとんど病院で薬を買ったことがない。薬によっては、薬局の値段が病院の1/3というケースもある。

ただ、劉さんは不便に思ったのは、薬局で買えない薬があるということ。病院と薬局の値段を確かめる時間がない時、仕方なく病院で薬を買う場合もある。劉さんにとって不思議なのは、なぜ薬局の値段が病院よりもあんなに安いのか。

■高い薬価の原因は仕入段階にある

最近のあるメディアの報道によると、同じ製薬会社の注射液が北京市と山東省での売値が異なっており、その差は小さくないという。ある薬は、出荷価格と最終販売価格の差は20倍にも達する。

“薬価が異常に高いのは、その差額が全部病院の利益になっていると消費者は見ているが、どう思いますか?”

ある市内病院の薬剤課責任者は取材に対して、病院は決められた仕入価格に15%のマージンを乗せて患者に販売しているだけ。病院の利益が何倍とか、何十倍になることはないという。

また、ある市内病院の薬剤課スタッフによると、同じ種類の薬でも製薬会社が違うと、その仕入価格がまちまちで、多い場合は数十種類もある。なぜ、同じ種類の薬なのに製薬会社によって、こんなに値段に違いがあるのだろうか?

薬価の異常な高値は、仕入段階に原因がある。”どんな薬が仕入対象となるかは、全て省が決めている。誰がその決定権を持っているかは、私たちにもよく分からない。”「深圳市衛生人口計画生育委員会」責任者は取材に対してこう答えた。定例の薬品仕入が始まると、広東省薬品仕入担当は各医療機関に仕入リストから薬品を選定するよう通知する。病院はその仕入リストからしか薬品を選定できない。

「2009年広東省医療機関薬品公開仕入実施方針」によると、薬品が省の仕入リストに採用されるまでに、薬価の入札、薬価の比較、薬価の妥当性協議の3段階の手続きを経る必要がある。薬価の比較と薬価の協議は、専門家によって行われる。

調べによると、協議に携わる専門家は都度監督部門が作成した専門家リストの中から選任される。医学、薬学、物価と医療保険のそれぞれの専門家によって構成されている。協議専門家の選任から24時間以内に協議が行われなければならない。協議の過程は、招待された国会議員(人大代表)、政治協会委員、メディア記者、特別招待監督員、市民代表によってい監視され、監督者は逐次質問し、回答を求めることができる。しかし、その実施状況は、これまで公にされたことはない。

■薬価低減提案が度々否決される

記者の取材によると、深圳市は広東省の薬品共同仕入制度に対して、薬価削減対策を数度提案しているが、ことごとく省で否決されたという。

深圳市「衛生人口計画生育委員会」財務担当責任者が記者の取材に対して語ったところによると、薬価を更に低減させるため、深圳市は数度広東省の主管部門と協議し、仕入先の再入札、仕入薬品リストの再選定を提案した。不思議なのは、これらの提案はすべて受け入れられなかった。

深圳市衛生部門にとって意外だったのは、2008年第二次全省薬品共同仕入入札のあと、ある薬品は逆に薬価が高くなったり、一部の低価格薬品の供給が途絶えたなどの現象が起きている。これに対して、深圳市関連部門は更なる調査を実施しており、薬品選定制度の改革に向けて準備している。”薬品仕入入札に深圳市は介入できないので、我々は薬品の選定段階で工夫し、何とか薬価低減の可能性を模索して行くしかいない。”、当該部門責任者はこう付け加えた。

■高価な薬品がよく売れる?

仕入入札段階における異常な薬価高騰の問題に対して、広東省薬品仕入センターは、薬価が公開された20品目の薬品に対して調査を実施し、その結果をテレビで公表した。その中、4品目が仕入リストに含まれてなく、入札不要の4品目は公開された薬価より高かったが、それ以外は公開された薬価を下回った。

広東省薬品仕入センター主任梁霞は記者の取材に対してこう説明した。広東省の仕入対象となる薬品には3種類ある、ひとつ目は競争入札を必要としない品目で、安い普及薬品や昔からある伝統的な薬はこれに該当する。ふたつ目は競争入札を必要とし、同じ規格の薬品が3社以上の製薬会社が生産・販売している場合、製薬会社はオンラインの入札システムから入札を行う。入札は3回行われ、毎回入札後、入札価格が公開され、入札会社は他社の入札価格を参考に再度入札価格を決めることができる。製薬会社が2社以下の場合、専門家の協議を経て薬価が決められる。三つ目は重点監視品目で、この品目に属する薬品は常用薬品ではなく、病院の仕入量は病院全体の仕入総額の3%を超えてはならない。この品目の薬品も競争入札を必要としない。

梁氏によると、2007年広東省共同薬品仕入制度が始まる時、政府の小売薬品価格の最高値と、2004年から2006年の3年間の全省21の市・省付属医療機関の薬品価格を参考に、過去最低入札価格を仕入値の上限とした。上記3種類の薬品の中で、競争入札を必要とする薬品は、価格競争が激しいことから薬価が比較的低く抑えられているが、製薬会社が2社または1社のみの薬品は、薬価協議が難しく、薬価が高止まりしている。”薬品の出荷価格と中間マージンについてよく分からない部分が多く、我々は関連部門に対して薬品の入札価格を公開するように要請して行く。”

■入札プロセスの透明性をどう高めるか?

今年広東省が開いた会議の中で、党の省委員会は「薬品入札後の実勢価格の変化傾向に関わる調査及び提案」を提出し、入札する度に薬価が高くなる現象を指摘し、入札担当者名と入札前後の薬価比較を公表するよう求めている。

提案書では、2008年の薬価を基準とし、2009年度の広東省入札薬品リストに含まれる19,598薬品の仕入価格を調査・分析した。その結果、薬価が変わらなかったのは3,413薬品、薬価が上がったのは7,402薬品、薬価が下がったのは8,783薬品で、値上がり幅は平均で19.37%で、最高は733%にも達した。一方、値下げ幅は平均10.33%だった。このデータから、値下げの薬品は値上げより多いが、値上げ幅は値下げ幅より大きいことが分かる。全体的に2009年の薬価は2008年より上がっている。

提案書は、患者が安く薬品を購入できるようにするためには、上流プロセスにあたる入札価格をしっかりコントロールし、入札結果に関するデータを市民に一般公開するように求めている。また、物価管理部門がリーダーシップを発揮し、化学製品、製造工程、販売などの専門家を組織し、値上がりした薬品の原価計算をチェックし、値上がりの理由を公表する。入札完了後、入札に関与した専門家や監督員の氏名と所属を公表し、入札の結果と入札価格をネット上で公表するなど、社会の監視を受ける体制の構築を提案している。

ソース:http://news.sina.com.cn/c/2011-12-01/024323553679.shtml

チャイナなう編集室