“チャイナなう”編集室 当サイトへの広告掲載に関するご相談は編集室まで!

業種間給与格差は4.2倍


2011年12月2日付け、人民網(人民日報)

169

多くの人々は、現状の給与収入の格差が大きいと感じている。大きい格差はどこで特に感じられるのか?格差の原因となっているものは何であるのか?

12月1日、第4回中国労働論壇が北京で行われた。今回の論壇は、人力資源・社会保障部(人社部)が主催し、バランスの取れた労働関係の構築をテーマに、労使関係、就職、収入分配、社会保障などの視点から意見交換が展開された。

論壇で、人力資源・社会保障部労働工資研究所が作成したレポートを発表した。

レポートでは、当面中国国内における給与水準の格差は4つの側面で顕著に現れている。すなわち、業種や企業間の格差、都市と農村の格差、地域間の格差、管理職と一般職の格差である。この4つの格差は近年拡大する一方で、社会の注目を集めている。

■4つの格差拡大

人社部労働工資研究所副所長楊黎明の説明によると、改革開放初期は、「平等主義」の打破が給与改革の大きな課題であった。いま、中国の社会主義市場経済の特徴に合った給与配分体制はほぼ確立したが、新しい問題に直面している。すなわち、給与水準の格差が拡大する一方である。格差は4つの側面で現れている。

ー業種や企業間の格差拡大

2010年、全国市町村公営企業の就業者の平均年収は36,539元で、全国市町村民営企業の平均年収は20,759元であった。平均年収が最も高い業種は金融業で70,146元、最も低い業種は農林水産業で16,717元、最高と最低の格差比は4.2:1であった。1980年代、我が国の業種間給与格差はほぼ1.6~1.8倍に維持されている。世界の多くの国でも、業種間給与格差は1.5~2倍程度である。企業間の給与格差は更に大きい。2010年の調査では、ある上海の銀行の給与及び賞与は一人あたり平均年収は29.66万元、その他の福利手当も一人当たり6.08万元、合計で35.75万元であった。これは当年度市町村公営企業職員の平均給与の10倍にあたる。

ー都市と農村の格差拡大

2010年、都市住民の一人当たり可処分所得は19,109元で、農村住民の一人当たり可処分所得は5,919元で、両者比は3.23:1であった。1990年のこの比率は2.2:1であり、世界の多くの国では、この比率が1.6以下である。

ー地域間の格差拡大

2010年、平均年収で最高は上海市の66,115元で、最低は黒竜江省の27,735元で、最高と最低の格差比は2.38:1である。なお、1990年の我が国の地域間給与の格差比は1.84:1であった。

ー企業の高級管理職と一般職の格差拡大

統計によると、上場企業の高級幹部の2010年における平均年俸は66.8万元で、当年度の全国平均年収の18倍超にあたる。一部の民営企業や単純労働の給与は低い水準にある。2010年の市町村民営企業の中で、飲食・宿泊関連企業、農林水産関係企業、公共サービス関係社会法人の3業種の就労者の平均月収は1,461元以下で、市町村公営企業の半分にも満たない。

■格差を拡大する5つの要因

給与水準の格差をもらたす根本的な原因は何であるか?格差は不公平であるのか?楊黎明は、近年の給与水準の格差拡大は社会的な関心事となっており、これを軽視してはならないと述べた。いま存在する色々な給与格差は、幾つかの要因と幾つかの制度問題が複雑に絡み合った結果である。

その一、労働者が提供する労働の量と質に差異がある。これが給与水準と給与格差を決定付ける要因のひとつである。高いスキルを必要とする高度な業務、生産過程で責任が重い職位などは、大体給与は比較的に高い。

その二、商品市場や価格形成が労働の評価に対して過大または過小な影響を与える。収益の高い企業の職員給与は比較的に高い傾向にある。

その三、人材供給市場が給与水準に影響を与える場合がある。供給が需要を上まわる人材は、比較的にその労働対価が低く、供給が需要に追いつかない人材は、比較的にその労働対価が高い。

その四、資本と労働の関係による影響も小さくない。いまは資本が強く労働が弱い時代であり、資本に対する利益分配の割合が比較的多く、労働に対する利益分配の割合が比較的少ない。

その五、国の所得分配制度などのマクロ政策も、この現象を誘引する一因となっている。平等主義を廃止し、一部の人たちが先にリッチになることを認める一方で、貧富の格差を警戒し、収入の格差を縮小し、全体が豊かになるように推進すべきである。

一般的に言えるのは、労働者が提供する労働の量と質が給与水準を決める要素であることは、分配原理の基本的な原則であり、国による所得分配に関わるマクロ政策は変わる可能性がある。

■政府による制御は不可欠

合理的な給与格差は労働者の勤労意欲を刺激し、労働効率を高める効果がある。しかし、不合理な給与格差は社会問題に発展する恐れがある。いまの中国における給与格差は過剰に大きく、ひとつは歴史的に見ても格差拡大の速度が速く、ひとつは市場経済国家と比較して業種間、地域間の格差が比較的に大きい。いま、我が国の人材供給市場と資本と労働の関係がまだ成熟の段階に至っておらず、それが給与格差の拡大の制度的要因となっている。これについて、楊黎明は、この段階において、政府によるコントロールは不可欠と見ている。

社会制度の設計者として、政府は、所得分配制度の基礎を固めなければならない。それには、正常な給与ベースアップ制度、国営企業における給与管理体制、非国有企業における賃金協議制度、労働者が民主的に参加できる制度などが含まれる。

また市場調整の役割を持つ政府は、市場に対して市場変動を緩和する政策を実施しなければならない。例えば、改革開放初期、我が国は資本が不足し、就業圧力が大きい時、政府は資本を増やす政策を取らなければならない。いまは、人材供給市場の中の弱者グループ(例えば単純労働者)をもっと保護すべきである。供給が需要より多い一般労働者は常に弱い立場にあるので、市場に委ねると給与水準はどうしても低くなりがちなので、彼らを保護する政策が必要である。

このほか、周期的変動がある業種に対して、政府は税制調整や所得調整などで、これらの変動を緩和する必要がある。

今回の論壇では、バランスの取れた労働環境を構築することは、国民生活を保障・改善し、社会的安定を維持する重要な基礎であるとの共通認識が得られた。今後は、もっとひとを大事にし、中国ならではのバランスの取れた労働環境を確実に構築することで、就業環境を改善し、合理的な所得分配を実現し、社会保障を強化することが求められる。

チャイナなう編集室