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ゴルフ場は運動公園?


2011年12月7日付け、法治周末

違法ゴルフ場開発

生態保護の名目で、ゴルフ場を違法に建設する。国土部が通告で批判し、県国土局が工事中止命令を出したにも関わらず、工事は中止される気配はない。誰がデベロッパーに政府の命令を無視できるほどの権限を与えたのか?また、誰が国からの工事中止の通達をただの紙切れにしてしまったのか?

11月28日、福建省泉州市安渓県龍門鎮で、立派なゴルフ場が粛々と完成を迎えようとしている。

龍門鎮に位置する天湖ゴルフ場は、国が再三建設の中止命令を出したにも関わらず、生態保護を名目に工事が進められ、その面積は1000ヘクタールを超えるの広さだ。

国土資源部執法監査局はかつて通告で違法に土地を占有していることを指摘し、安渓県国土部門も建設を中止するよう求めたにも関わらず、デベロッパーはどこ吹く風である。

更に不思議なのは、地元政府は一所懸命にデベロッパーを弁護し、上層幹部に対して禁止令の保留を要求していることである。

■生態保護の名目でゴルフ場建設

安渓県から龍門鎮まで、車で30分の距離である。

龍門鎮政府役場まであと約1キロのところに、「福建天湖生態観光休暇センター入口」の広告が目に飛び込んで来る。その入口のところに石碑があり、そこには「福建省安渓県藍渓流域山崩れ対策龍門天湖プロジェクト実験区」と書いてある。

記者はこの大きな入口から中に入ろうとすると、守衛が「関係者以外立ち入り禁止」の看板を指して、”山の中はまだ工事中だから、いまは一般開放してない”と止められた。

その後、地元村民の案内のもと、記者はやっと中に入ることができた。

10分ほど歩くと、目の前が急に広くなり、起伏に富んだグリーンやバンカーは既に完成しており、女性従業員は草刈り機で草刈りをしている。向こうでは車で農薬を散布している。

”これは香港の投資会社が作ったゴルフ場で、面積は1000ヘクタールある。”作業をしている作業員はこう説明してくれた。このプロジェクトは2009年に着工し、今年の初めから草を植え始め、既に18ホールが完成し、ティーグランド、グリーン、排水設備、バンカー、池などのゴルフ場設備はほぼ完成し、来年から運営が開始される見通しだ。

実は、2004年から、国は数度ゴルフ場開発プロジェクトを厳しく制限する指示を出している。2006年12月、更にゴルフ場開発は用地利用目的の禁止事項に追加された。

この状況の中で、天湖ゴルフ場はどうやって、このプロジェクトを計画し、関係部門の承認を受けて進めたのだろうか?

先月離職したばかりの龍門鎮鎮長劉氏は記者に対して、当時、山崩れ対策プロジェクトは、応札にした企業に利益を与えることを前提に入札を実施したと説明してくれた。

入札の結果、香港理源グループが落札し、山崩れ対応と生態観光をミックスした「天湖生態観光休暇センター」プロジェクトが動き始めた。

しかし、思いもよらないことに、理源グループは山崩れ対策を名目に、ゴルフ場建設を始めた。

現地メディアの報道によると、当該プロジェクトは総用地面積は5400ヘクタールで、総投資額は25億元にのぼるという。

7つ星のホテルを建設するほか、ゴルフ場、温泉設備などが周りに配置され、完成後、泉州市でもっとも大規模な娯楽施設となる。

劉元鎮長は、天湖ゴルフ場は天湖公司が独自に開発・建設したもので、関連部門の承認を受けていないという。

しかし、記者の取材で判明したのは、このプロジェクトに地元政府がかなり注目したいた。以前に公表された福建省重点観光プロジェクトの中で、このプロジェクトの名前があり、しかもゴルフは「森林スポーツ」と紹介されていた。

このプロジェクトをスムーズに進めるために、龍門鎮政府はオフィスビルを一棟デベロッパーに提供し、そこにはふたつの看板を掲げられていた。ひとつは「福建天湖生態観光休暇センター有限公司」、もうひとつは「安渓県藍渓流域山崩れ対策事務室」。

■農地の違法占有

事実上、安渓天湖観光プロジェクトは、ずっと国土部の高い注目を集めていた。

2010年5月、国土資源部執法監査局が公表した5件の違法ゴルフ場開発案件の中で、天湖ゴルフ場が含まれていた。

その時、国土部執法監査局は、福建天湖生態観光休暇センター有限公司は地元鎮政府の関与の元、実際占有する農地面積を少なく申請し、375ヘクタールの農地と1700ヘクタールの山地を勝手に使用目的を変更し、ゴルフ場を建設したとの見解を示した。このプロジェクトの工事は既に開始され、全ての土地が破壊されている。

”我々は法律に基づく検査の中で、天湖ゴルフ場は確かに農地を占有したことを確認したが、国土資源部監査局の発表ほど多くはなかった。”と、安渓県国土局執法監査股股長周氏が言う。彼らは国土部に詳細なデータを提供してないのに、国土部が公表した数字はどこから来ているのか分からないという。

周氏いわく、安渓県国土局が検査した結果、天湖ゴルフ場が占有した農地は60ヘクタールであった。これに対して、今年9月に、安渓県国土局は既に天湖公司に対して行政処分(罰金88万元)を実施した。さらに、天湖公司に違法に占有した農地に立てられた建物を撤去し、現状復元するよう指示したという。

天湖ゴルフ場は一体どのぐらいの農地を占有したのか?記者の調査で、この問題に対していろいろな説があるようだ。

龍門鎮政府の職員が振り返る中で、天湖観光プロジェクトは2005年から用地調達を開始し、複数の村から計1.3万ヘクタールを取得し、大半が山地で農地は少なく、多くても200ヘクタール程度だという。

当該村の村民の振り返りによると、当時龍門鎮は「汚染環境を改善し、山崩れなどの荒れ地を開発する」名目で用地を調達し、ヘクタールあたりの保障は1万元も満たない。農民が生計の拠り所としていた農地を安く徴収され、多くの農民は拒否しようとしたが、最終的に、やはり「お上」に逆らえなかった。

”いま、我々は農地がなくなり、作業員として建設工事に雇ってもらうしかない。”当該村民は、建設工事で作業しても、毎日の収入は60~70元程度で、いま物価が高騰するご時世では、食べることだけで精一杯だと嘆く。

この村民はさらに記者に対して、ゴルフ場の横に高級別荘を建設して販売する計画があると教えてくれた。

■地元行政は指導の振りして黙認

安渓県国土局用地股の責任者が記者に説明したところによると、天湖環境プロジェクトは山崩れ対策の目的で申請しており、対外的に用地面積を5400ヘクタールと謳っているが、実際使用許可が下りたのは800ヘクタールしかない。

”ゴルフ場開発のようなプロジェクトは国が禁止しているので、我々が許可するはずがない。”

安渓県発展改革局の職員も、天湖ゴルフ場プロジェクトというプロジェクト自体は存在せず、天湖公司が偽りの看板でプロジェクトを進めており、これは明らかに違法行為であるとの見解を示している。

違法行為なら、天湖ゴルフ場はなぜ監督部門の目の前で完成したのか?

安渓県国土局執法監査股股長周氏は空しくこう説明した。もともと国土局が検査する時、天湖公司は生態観光公園と説明しているし、その時はゴルフ場に見えなかったので、特に処罰することはしなかった。

今年4月になって、このいわゆる「生態観光公園」が少しずつゴルフ場の様相を呈して来たので、安渓県国土局はすぐさま「違法な用地利用に関する通知書」を出し、工事の停止を求めた。

しかし、情報通が記者に語った話では、安渓県国土局の工事停止通知は何の効果もなく、天湖ゴルフ場の工事が停止しなかっただけでなく、更に工事のスピードを速めたという。今年11月にはとうとう基礎工事がほぼ完了した。

”国土局はただ上部の責任追及を恐れ、指導をする振りをしているだけで、本気で工事を止めようとしていない。それをデベロッパーもよく分かっている。”情報通によると、こんな大規模な違法プロジェクト、行政の後ろ盾がなければできっこないという。”執法監査はただ市民を騙しているだけだ。”

安渓県国土局の匿名希望の職員は、天湖観光プロジェクトは県の重要プロジェクトであり、例えゴルフ場だと分かったとしても、違反行為は国の所管であり、国土局は国のいち地方部門として、法の執行能力に限界があり、厳しい監査はできないと漏らした。

”我々は天湖ゴルフ場の違法工事問題を既に省の督査部門に報告した。具体的な対応は省が決めることだ。”

■デベロッパーをかばう地元政府

今年4月、国家発展改革委員会は11の部委員会の連名で「全国ゴルフ場開発の洗い出しについて」を通達し、期限を設け、各地方行政に対して竣工済みと建設中のゴルフ場に対して洗い出しを実施するとともに、新たな政策が確定するまで、一切ゴルフ場開発の承認と工事の開始を禁止するとした。

いま、福建省のゴルフ場開発の洗い出しは福建省発展改革委員会が主管しており、6月末より前に、申請手続きを中止している。しかし、衛星写真を見ると、ほかにも建設中のプロジェクトがあるようで、そのため各地方政府に再度報告を求めている。

11月25日、安渓県南翼新城委員会事務室主任の許氏は記者の取材にこう答えた。県はまだ天湖ゴルフ場プロジェクトを残そうとしている。天湖公司は既に開発に莫大な金額を投資しており、行政にとってもいい話である。もしゴルフ場プロジェクトが否認され、天湖公司が投げ出したら、誰がその後始末をするのか?

許氏の話では、安渓県はわざわざ省に電話して、関係部門が安渓県の現状に配慮し、天湖ゴルフ場を存続させるよう陳情した。このプロジェクトは占有した農地は少なく、大多数は山地で、山崩れ対策にもなり、生態環境にもいい効果があるという。

安渓県が天湖ゴルフ場のために陳情したもうひとつの理由は、安渓県が丁度「中国国際情報技術産業パーク」を建設しようとしており、多くのIT人材を引き付けるにも、ゴルフ場はプラスに働く。

事実上、天湖ゴルフ場に限った話ではない。国土資源部執法監査局が調査で、一部の地方政府は、農村運動公園、休暇倶楽部、都市公園などの名目でゴルフ場を建設している。

国が命令で禁止しており、しかも強力に徹底しようとしているのに、違法開発の摘発が後を絶たない。

福建省発展改革委員会のある関係者は、ゴルフ場が禁止したにも関わらず次々実行されるのは、地方政府が企業誘致及び土地に依存する財政上必要だから、ゴルフ場開発に前向きであり、違法なゴルフ場開発を見て見ぬ振りをしていると分析する。

以上の原因より、デベロッパーはゴルフ場開発の立ち入り調査をあまり気にしていないようだ。地元政府のサポートがあるので、調査を受けたことが、ゴルフ場が合法であるという証明書を手にすることができるからだ。

 

ソース: http://news.sina.com.cn/c/2011-12-07/002823586597.shtml

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