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貧困地区の住宅問題が難航


2012年1月18日付け 中国青年報

2012.1.19山西省

中国の貧困救済開発重点地域である山西省興県では、近年住宅価格の急上昇が進み、人々が家を買う夢は遠のく一方だ。2010年に満を持して建てられた低所得者層向けの低価格賃貸住宅は、未だに手つかずのまま置き去りにされている。多くの市民は不満をあらわにし、関連部門の作業効率が低く、成果が上がっていないことに疑問を抱いている。

■住宅割り当ては難航、担当者が勉強会へ

「福臨家園」は興県にある住宅地。数百の世帯数を有する、数少ない開発成功事例だ。旧正月前のこともあって、街は賑わっている。その中に5階建ての住宅があるが、4つのユニットの入り口全ての鍵は閉められており、周囲とはまるで別世界だ。窓越しでみると、中は内装すらしていない、埃だらけの空き家だ。

管理人の話では、これは興県の低価格賃貸住宅プロジェクトの一環で建設され、93戸が入居可能という。2010年6月に完成した後、ずっと放置されたままだ。興県の「保障性住宅(社会保障としての低所得者向け住居)」では低価格賃貸住宅プロジェクトだけが実施されており、全部で241戸、そのうち148戸は建築中だ。「福臨家園」の93戸は2010年に完成し、現在興県で入居できる唯一の低価格賃貸住宅だ。

この住宅、入居受け入れ準備は万端であるにもかかわらず、なぜ2012年になった現在においても市民の手にわたらないのか?

これについて、興県住宅管理センター責任者の胡喜平氏は次のように説明する。当初の計画では、2012年5月に第二期の148戸が完成したら、まとめて割り当てを行う予定だった。しかし、今考えると、確かに時間をかけすぎた。住民の不満も高まり、県には何度も実情を伝えているが、住宅割り当ては難航しているという。ひとつ目の理由は、住宅の割り当てを望んでいる申請者が多すぎることだ。毎日のように多くの人が胡氏を訪ね、現在300世帯以上が申請しているという。もうひとつの理由は、胡氏自身の体調の問題だ。2011年6月から9月にかけて、3カ月も入院していたため、住宅割り当ての仕事が遅れてしまったという。

胡氏によると、住宅割り当てに関する資料は今のところ作成されていない。太原市(山西省省都)では公開抽選という方法を採用しているらしいので、近いうちに勉強に行き、プランを作るという。

■入居待ちの住民の声

一方、入居待ちの住民たちは、しびれをきらしている。「福臨家園」のすぐ隣には、1960~70年代に建設された民家があり、地元工場を退職した元職員とその家族5世帯が住んでいる。61歳のエン氏は、妻と85歳の母親3人で40㎡の家に住んでいる。オンドル(寒冷地域の床暖房型ベッド)が一つあるだけの住宅なので、3人一緒に寝ている。出稼ぎに行っている二人の息子たちが帰ってきても、泊めてあげられないので、そのたびに他に部屋を借りている。

エン氏は「今住んでいる家は古いだけではなく、危険な建物だ。2011年に、ある業者が政府の許可を取らず裏の空き地でビルを建てていた。建物との間隔は1.5mほどしかないので、そのビルの建設中に、家のあちこち亀裂がで、住んでいて怖い。引っ越ししたいが、今私の退職金1500元(2万円弱)では買うことも借りることもできない。福臨家園が完成しているのに、割り当てがないのは実に理解できない」と語った。

隣近所の高氏も50㎡の家に住んでいるが、壁に亀裂ができたり、壁土が落ちたりしている。高氏は「希望者が多くて割り当てできないというなら、政府は計画を立てて、段階的に配分すればいい。空き家のまま放置して、住民を待たせることないだろう。」と不満を漏らした。

興県のほとんどの建築物は平屋か2、3階建てのビルで、居住環境はさほどよくない。しかし、最近の不動産価格も急上昇しており、平均価格は3000元(36000円)を超え、高いところでは4000元(48000円)に達している。これは太原郊外の住宅に近い価格だ。しかし、貧困救済開発重点地域でともなっている興県では、市街地住民の年間収入が11115元(約13万円)、農村地区住民の年間収入は2050元(約2万5千円)しかない。住民たちは新たに建設された家を眺めながら、ため息をつくしかないのが現状だ。

■裏口入居希望者の存在も

興県の住宅割り当て問題については、多くの疑問の声があがっている。1年半もあったのに93戸の割り当てが手つかずで、今年の計画も未定。これは明らかに行政の不備だという意見がある。

太原市の住宅関連部門の担当者は、供給と需要の関係で、保障性住宅の割り当ては一定の周期が必要だという認識を示しながらも、1年半の間、手つかずであるのは不自然で、市民の理解を得られないだろうと語った。93戸に対し、300世帯が申請という数字、論理的には難しい話ではない、太原市では2万世帯で4000戸を争うケースもあった。公開抽選という方式をとって、テレビの生中継をしたら、市民は納得してくれたという。

一方、この問題の裏には「縁故による優先割り当て希望者」が存在することも明らかになった。興県は小さな町で、人間関係が密である。全部で93戸しかないので、幹部の親族や友達にも全部は割り当てられない。面倒を起こしたくないため、仕方なく後回しにしている、というのが根本的な原因でないかという声もある。300世帯は公示をしていない状況下での数字であるため、公示をすれば更にその数は増えるはずだ。そうなると、割り当ても更に難航するだろうと、管理側は懸念している。

ソース:http://news.sina.com.cn/c/2012-01-18/014823816362.shtml

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