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中国の大気汚染はどれほど酷いのか?


2012年2月4日付け 網易新聞

2012.2.4エコノミストPM2.5.3

2月4日、PM2.5をめぐる論争が再燃した。

WHO(世界保健機構)が明らかにしたところによると、PM2.5 の値が10㎍/㎥を超えると人体に影響を及ぼす。中国におけるPM2.5の平均濃度は30㎍/㎥以上である。また、研究者の調査によると、中国の大多数の地域でPM2.5 の濃度はWHOの基準を超えており、特に濃度の高い地域は、山東省と河南省であるという。

このPM2.5 に関する情報は、イギリスの経済専門誌「エコノミスト」に掲載されている。これより、さらに注目を浴びたのが、中国大陸のPM2.5 分布図だ。図にはPM2.5の濃度が色違いで表示されている。

これは何を根拠に報道されたのか?河南省は本当にPM2.5の汚染が深刻な地域なのか?環境保護専門家はこのレポートについて、どう考えるのか?

■英経済誌の報道

「エコノミスト」は1843年9月に創刊された、国際的にも影響力のある経済誌の老舗である。2012年1月28日号から中国特集の連載コラムが始まった。1942年にアメリカのコラムが掲載されて以来、ここ70年間は、特定の国に関するコラムが掲載されることはなかった。

2日の夜から、この雑誌のPM2.5に関する報道が、にわかに注目を集めた。ネット上で特に話題になったのが、中国大陸のPM2.5 分布図だ。

図には中国大陸が黒竜江省、チベット自治区、海南省の三省だけが基準値に収まり、その他の地域は全て基準値を超えていた。更に驚くべきことに、山東省と海南省のPM2.5濃度は50㎍/㎥以上で、真っ赤な色で表示されていた。

山東省と河南省はPM2.5による汚染が深刻な地域なのか?3日、ネットのフォーラムでは、多くの人々が熱い議論を交わしていた。「エコノミスト」は真面目な雑誌なので、この報道には信頼性があるという意見もある一方、”どのような観測方法で取ったデータなのか”、”宇宙から地表近くの汚染状況がわかるのか”、”なぜPM10ではなく、PM2.5のデータを取り上げるのか”、”山東省が山西省より汚染が深刻なわけがない”といった疑問の声も多い。

■データは衛星観測によるもの

微博(ミニブログ)には「エコノミスト」原文のリンクが投稿されていた。『中国の汚染~人為的であることが宇宙からもわかる』という1000文字ほどの署名の無い文章だ。

それは次のような文章から始まる。”PM2.5というのは一風変わった、普段あまり目にしない言葉だった。しかし、ここ数週間で、ネット上で騒がれ始めた。この論争により、現在、北京等いくつかの都市でPM2.5 のデータが公表され始めている。世論の高まりとともにその他の地域でも、まもなくデータが公表されるようになるだろう。”

注目されているPM2.5の分布図の由来については、このように記述している。”データは地上に近いところで採取されているが、衛星から観察すると、粒子状物質に遮断される光線が見受けられ、また粒子状の化学成分と大小さまざまな粒子状の物質が分布しているのが観測できることから、かなり正確なデータが得られる。「エコノミスト」が入手したレポートにはこのような記載がある。レポートはイエール大学のエンジェル・シュー氏が率いるグループにより作成されたもので、アメリカの衛星により観測されたデータをまとめたPM2.5の分布図がある。”

「エコノミスト」は中国にも多くの読者がいる。微博上で認証されている「エコノミスト中国語ネット」には、2日に上述の内容の翻訳記事が発表された。その中では”この方法は完璧ではないが、中国の環境汚染対策が立ち遅れていることを表している”と指摘している。

そのPM2.5分布図の上には、はっきりと”微小粒子状物質の人口加重平均濃度 ㎍/㎥ 2007″とある。つまり、2007年のデータなのだ。更に図の下には”出典:米国バトラー研究所 コロンビア大学”と記載されていた。

■専門家「観測システムが異なる」

河南省環境保護庁宣伝教育センターの関係者によると、環境部の施策により、今年から河南省各地でもPM2.5の観測を始めることになった。また、空気中に含まれるPM2.5 の観測については、厳格な基準と技術規範が必要だが、現在、新しい空気質基準を検討中だ。

また、「エコノミスト」のレポートについては、PM2.5の観測データがまだないため、これを批評することはできないとしている。

鄭州市環境観測センターの範相閣氏は、「エコノミスト」のレポートは、衛星からデータをとった研究用のレポートだ。中国の基準により、我々は人体の健康と密接に関係する地表近くの空気質を観測している。このため観測設備は地上から3~15mのところに設置している。つまり、観測システムや方法が全く違うため、これを評価するのは難しいという見解を示している。

また、PM2.5のデータを含めた空気環境について、経済の発展レベルや工場からの排気等だけでなく、各地域の自然条件や地形にも密接に関係しているとし、河南省のような黄河流域は、黄砂の飛散が沿海地域より高い位置にあるため、衛星観測によるデータについては「冷静に判断」する必要があるとしている。

ソース:http://163.fm/X49w42U

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