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タクシー業界に制度改革


2012年2月28日付け 人民網(人民日報)

2012.2.28タクシー

2月27日、交通運輸部、人力資源と社会保障部、全国労働組合総会の3つの政府機関がテレビ会議を行い、今年3月から2年間を目途に「タクシー業界の調和の取れた労資関係を築く活動」を実施すると発表した。全国各地で現在の請負依存制度からタクシー会社社員経営モデルを徐々に推進するとともに、車両請負基本料、社会保険、労働収入、休日等の内容を含めた賃金団体交渉を進めていく方針だ。

交通運輸部副部長の馮正霖氏は、この活動は単なる見せかけや、メンツのためのプロジェクトではなく、これまでタクシー業界の発展過程で長期間にわたって解決できなかった根本的な難題に取り組み、企業と乗務員の対等な関係を築く中で、双方の権限と責任を果たし、リスクを分担し、共に協力的しながら成長していく長期的な仕組み作りであるとを強調した。

何年もの間、上納金、ガソリン代、収入に悩まされてきたタクシー業界は、いよいよ制度改革を実行する時を迎えた。

■乗務員の収入と企業の収益との連動

現在、中国にはタクシー会社が約8,700社、タクシーが約100万台、運転手200万人、毎年延べ100億人の乗客を輸送する一大産業となっている。雇用や経済発展の拡大にも大きく貢献している。

しかし、タクシー業界は特に労資関係が不安定な業界である。乗務員とタクシー会社の正規労働契約率は低く、乗務員の収入も少ない。また、会社の労働管理も規範化されていない場合が多く、乗務員は長時間労働を強いられ、休息時間も保障されない等の問題が目立つ。その結果、通勤ラッシュ時間帯やガソリン価格が上昇する時期に、乗務員のストライキが頻発、「タクシー難」という社会問題に発展した。また、一部の地域では、タクシー所有権(車両は個人所有で、タクシーに特定の色を付けてもらい、色に応じて月に固定金を支払う制度)や労資関係が明確化されていない等の問題も出てきた。更に、タクシーは流動性が高い上に、社会との接点も広く、影響を及ぼす範囲が大きいことから、集団事件を引き起こしやすい。

馮正霖氏は、“タクシーに関わる事件の半数以上は、労資関係制度の不備や上納金額への不満、乗務員の収益が充分保障されていないことに関連している”と指摘、今回の改革については、制度から着手し、乗務員が尊厳を持って働き、企業が健全な成長を図ることができるようにすると表明した。

労働契約制度を推進し、根本から乗務員の合法的権益を保護する。3月から、全国各都市における実情を鑑み、タクシー業界の経営体制改革を段階的に実施していく。具体的には、タクシー会社職員制経営モデルを導入し、企業と乗務員が労働契約を締結、法律に基づいて社会保険金も納付するようにする。

人力資源と社会保障部副部長の楊志明氏は、企業と乗務員の労働契約を締結する際の一助となるよう、タクシー業界における労働契約書の見本を早急に作成し、普及させていくと意欲を見せている。

馮正霖氏によると、労資集団交渉制度の確立によって、乗務員の収入と企業の利益が連動して上昇していけるように目指すという。タクシー会社の経営コストの算定に政府も加わり、権利と責任、リスクを対等に分担するという基本方針の下、タクシーの請負費用を決めるとしている。

■健全な価格調整の仕組み

“タクシー業界として、サービスの質を決めるのは、乗務員だ”と馮正霖氏は強調する。一般労働者として、もし乗務員の利益が保障されなければ、乗務員の会社に対する不満が高まり、良いサービスも保障されない。この意味で、調和した労資関係を作るために大切なのは、労働者の報酬を受ける権利、休暇を取る権利、社会保障の権利を認め、それを徹底させるための方法を考え、努力することだ。また、運転手時間交代勤務制度、休日出勤の請負費減免制度、休暇制度を実施して、運転手に最低週1の休日を保障するとしている。

楊志明氏は、労働部門として、タクシー業界に適した特殊労働時間制度を思案中であると言及している。集中労働、集中休暇方式で、労働者の休暇を取る権利を守ると同時に、市場競争力を高め、社会のニーズに合った便利なタクシーサービスを提供することを目指す方針だ。

また、馮正霖氏は、各地でタクシー価格調整制度を確立し、乗務員の超過労働や、都市部での「タクシー難」を解決していくと言及した。タクシーと公共交通機関の価格関係を合理化し、タクシー価格とガソリン価格を連動させる仕組みも作り、乗務員が働いた分だけ収入が得られるような合理的な収入の仕組みも作っていくという。

更には、乗務員の安定した就業人数を確保するために、今後2年間で、タクシー業界の環境も改善していく。関連施設も整備し、ターミナル、商業施設、ホテル、観光地、学校、病院などのタクシー需要の高いところで、タクシー専用の無料停車エリアを設置する。また、タクシーのガススタンドやサービスエリアを建設し、乗務員が抱える問題、例えば駐車難、食事難、パンク修理難、トイレ難という状況を改善していく。

■企業労働組合設立率80%を目指す

タクシー業界では、乗務員の声を反映させるためのルートや組織作りも急務だ。

全国労働組合総会党書記の王瑞生氏は、“組合は労働者利益の代表者であり、保護者でもある。タクシー業界で組合を作ることによって、労働者の声を把握することができ、問題を早期に解決することができる”との考えを示した。

2011年末までに、全国のタクシー会社の中に、組合を保有しているのは77.39%で、組合の加入者は69.32%にとどまり、労資でグループ契約を結んだのは一部の都市に限られていた。そこで、2012年末までに、組合を保有する会社が80%に達することを目標にし、省都においては100%を目標にする。加入条件を満たす乗務員は必ず加入できるようにし、党がリードする組合への受け入れ体制を最大限に整えるという考えを示した。

現場の意見や提案を聞くために、タクシー運転手連絡員会議を発足させることも決定した。定期的に会議を開くことによって、最前線の現場にいる乗務員の声を聞きくだけでなく、業界の政策も伝えることができ、問題や誤解を早期に解決することができる。

また、労使関係による突発事件の発生を予防したり、事件の処理をしたりする仕組みを確立し、労働関係の安定を図る。特に乗務員の賃上げや労働条件の改善を求めるために起こしたストライキは、応急措置の規定に従い、迅速に介入し適切な措置を取ることで、事態の拡大を防ぐよう努めるとしている。

 

ソース:http://news.sina.com.cn/c/2012-02-28/034624015347.shtml

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