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税制改革:間接税から直接税へ


2012年2月27日付け 人民網(人民日報)

2012.2.28税制改革

“去年、個人所得税法案改正で、サラリーマンの所得税が減税された。もし、商品の中に含まれる税金も引き下げられたら、消費意欲も高まるのに…”と市民は嘆く。

近頃、中国の商品に含まれる税金が高過ぎることが社会問題となっている。いったい、中国の商品に含まれる税金はどのくらいなのか?それは先進国より多いのか?今後、中国の税金制度はどうであるべきなのか?

■企業から徴収する間接税が高過ぎる

2011年、中国税金収入の70%以上が間接税で、それ以外の所得税等は30%にも満たない。また、企業から徴収する法人税などは税収全体の92.06%を占め、一般国民が直接負担する税額は7.94%にとどまっている。

中国社会科学院財経戦略研究院院長の高培勇氏は、間接税というのは価格を構成する要素の一つで、商品の価格に組み込まれ、価格というルートを通して消費者に転嫁される税金だと説明する。

また、現行の税金制度では、企業が税金を納め、それを商品価格に転嫁する形が、中国の税金徴収システムの特徴である。同時に、中国の税金制度がアンバランスであることをも表わしている。近年、このようなアンバランスな税金制度と、税金徴収構造の弊害が次々と表面化している。

例えば、高額で、高い割合を占める法人税は、ほとんどが商品価格に転嫁される。そのため、税率と物価が密接に連動し、物価を押し上げる原因となっている。特に生活必需品の中に含まれる税金が高いということは、実際は消費者が負担する大衆課税になってしまっている。

また、このような間接税の主な出所は各企業から徴収する法人税だが、法人税は企業にとっても大変な負担である。企業規模による競争力の違いで、競争力が弱い企業は税金を商品価格に転嫁できないため、結果的に中小や零細企業の負担がより重くなる。この他、所得税と財産税を代表とする直接税*2の税収全体に占める割合が少ないため、結果的に収入格差を是正するという税金の役割が果たされていない。

■商品価格に占める税金が高すぎる

財政部財科所所長の賈康氏によると、アメリカでは、国の税収の40%は個人の所得税で、賞与にかける所得税を加えると80%にも達する。これに比べ、中国の個人所得税は税収全体のわずか6.7%にすぎない。財産所有税は、不動産税の試行が始まったばかりで、その他はほとんどない。

賈康氏の分析では、中国の税金制度は先進国と大きな違いがあるという。中国は主に流通税という間接税を徴収するのに対し、先進国は直接税を徴収している。流通過程での税金徴収は少ないため、商品に含まれる税金も少ない。

なぜ中国では企業から徴収する間接税の割合が高く、個人徴収する直接税の割合が低いのか。これは社会発展の経過に関係しているという。

1994年、中国が税制改革を行っていた頃、ほとんどの国民に個人所有の不動産などの財産はなかった。人々の主な収入源は給料だったが、給与水準は低く、収入格差も大きくなかった。そのため、所得税を徴収できるほど高収入の人もいなかった。更に、先進国のように不動産税や社会保障税等の直接税はほとんど徴収できない。比較的徴収しやすいのは、生産や流通の過程における企業から徴収する税金だった。そして、企業はその税金を生産や経営コストに組入れ、最終的に価格に上乗せして消費者に転嫁するようになった。

客観的にみれば、この税制構造は当時の社会情勢には合っていたが、富裕層と財産所有者が増えた現在の社会情勢には合わなくなってきている。税制改革を行うべき時期に来ている。

賈康氏は、中国の商品価格に占める税金の比率が高いのは、税金徴収額が大きいことを意味しているわけでないと強調する。ある国の租税負担水準を比較する場合、その指標は財政収入のGDPに占める割合である。2011年、中国の割合は30%で、先進国の平均が40%以上だった。この数字から見ると、中国の税金負担水準は合理的な区間にあるといえる。

■直接税の増収

中国社会科学院の高培勇氏は、中国の将来の税制改革と調整の方向として、全体の税金負担を軽減するという前提の下、間接税を減らし、直接税を増やすべきだとの考えを示した。つまり、企業からの税金徴収を減らし、個人からの徴収額を増やすということだ。

企業の税負担を減らすと、商品に含まれる税金を減らすことにつながる。また、中小や零細企業の付加価値税と営業税の徴収基準値の改善、営業税を付加価値税に変える等のモデルケースの展開、税金の重複徴収をなくす等の税制改革はすでに実施している。

営業税を付加価値税に変えるという改革モデルは、従来の税制改革と大きく違うところがある。付加価値税は中国で最も大きな税収源のひとつで、この改革は税制全体の変化をもたらすことになり、税金制度や税収構造を最適化する重要なきっかけにもなる。営業税から付加価値税に変わるという改革が全国に広がれば、付加価値税だけではなく、その他の流通税についても、税負担を軽減し、流通税の更なる減税の重要な転機となる。これによって、直接税を増税するための余地ができ、税金制度を改善するための道を作ることができる。

一方、財政部の賈康氏は、流通税をはじめとする間接税を軽減する条件は比較的整っており、実施しやすいが、個人所得税や財産税等の直接税を増税することは難しく、多くの事前準備が必要であるとの見解を示している。

例えば、個人所得税については、ここ数年、所得税調整は主に減税という方法で実施してきた。2011年、所得税改革を行ってからは、納税者は給与所得者の約7%しかカバーしていない。もし、富裕層の税負担を高くすれば、国内でどれだけの富裕層がいるかを把握し、その収入について効果的な管理と正確な計算を行わなければならない。

財産税については、現在、上海と重慶の2都市で不動産税の試験的な徴収が行われているが、実施して1年で多くの問題が表れた。最も大きな問題は徴収管理コストが高いことだ。例えば、徴収対象となっている不動産物件には実際に所有者が居住していない場合、電話で何度も連絡を取らなければならないし、物件の所在地に行って徴収しなければならないケースもあるため、作業効率は悪い。

賈康氏は、税制改革は簡単にできるものではないとしている。現在、税務部門は直接税の徴収にまだ経験がなく、ほとんど会社で給与天引きの形を取っている。直接税を増税するというのは、税務担当部門が国民から直接税金を徴収するという意味である。そのため、徴収管理手段を刷新し、作業効率を高める必要がある。賈康氏は、“今、我々がやるべきことは、改革の方向性を明確にし、枠組みを作り、それから一歩一歩前進することだ。”との考えを示した。

*1:「間接税」付加価値税、消費税、営業税、関税、資源税、都市建設税

*2:「直接税」企業所得税、個人所得税、外商投資と外国企業所得税、不動産税、印紙税、車両・船使用税、土地使用税

 

ソース:http://news.sina.com.cn/c/2012-02-27/061724006159.shtml

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