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ATM機から偽札?


2012年3月2日付け、中国青年報

ATM

最近、ネットでATMから1000元を引き出したところ、その中の6枚が偽札だったとの書き込みがあった。中国人民大学商法研究所所長である劉俊海氏によると、もし預金顧客がATMから偽札を受け取った場合、これは銀行が顧客に対して詐欺行為を働いたと見ることができ、中国の「消費者権益保護法」第49条に従えば、銀行は顧客に対して倍の金額を賠償しなければならないという。600元の偽札なら、銀行は1200元を賠償し、顧客がこれによって被った不便に対しても、銀行が保障しなければならない。

しかし、多くの場合、偽札は使う時に発見されることが多く、ATMから出力されるレシートに紙幣の番号が記載されていないので、実際偽札がATMから引き出された紙幣であることを証明することが非常に困難である。ある消費者権利保護専門の弁護士によると、ATMから偽札が支払われる事件について、中国の法律では銀行に保障責任を定めておらず、つまり、預金顧客が偽札を掴まされると、泣き寝入りするしかないという。

しかし、劉俊海氏は証明責任があるのは顧客ではなく銀行であるとの見解を示している。彼は記者に対して、「消費者権益保護法」第7条によると、”消費者は、商品やサービスを提供する企業に対して、身体と財産が保護されることを求めることができる”ので、銀行は預金顧客が引き出した紙幣は偽札ではないことを保証しなければならないという。”なぜなら、顧客が預けたお金はすべて本物であるから。”

劉俊海氏はまた、銀行はATMの機能を改善し、現金をATMに補充する際、全ての紙幣番号をスキャンし、その記録を保存すべきであると提言する。もし消費者が引き出した紙幣に疑念を持った場合、銀行は紙幣番号を照合し、記録と一致すれば、預金顧客に対して確実に賠償を行う。

また、別の専門家は、銀行に証明責任を負わせることは現実的ではないとの見解を示している。北京大学法学院法学専門家トウ強氏は、まずコストの問題に注目した。”銀行は証明責任を果たすためには、テクノロジーまたは手作業で紙幣番号を記録しなければならない。これには莫大なコストがかかり、銀行が自身の潔白を証明するためのコストは、最終的に顧客に跳ね返って来るだけだ。”
劉氏は、”公平性とコストは常に対立の関係にあり、もし確率の低い公正性を守るために莫大なコストをかけることは、合理的ではないし、現実的でもない。”との見解を示した。

劉俊海氏はまた銀行が証明責任を負うことは、社会的道徳ハザードをもたらす可能性を指摘する。”もし法律で証明責任を銀行に押し付けた場合、もともと偽札を持っているひとが、ATMで現金を引き出したあと、持っている偽札が引き出した紙幣だと主張し、銀行に賠償を要求する事例が発生する可能性がある。銀行が自分の潔白を証明できなければ、賠償するしかない。”

偽札を掴まされるリスクをどう回避するかについて、トウ強氏は、窓口で現金を受け取る以外にいい方法はないという。窓口なら、紙幣チェック機を通すことで紙幣の真贋を特定することができる。ATMは人間と機械のやりとりなので、受け渡しをチェックし、管理することができない。そのため、ATMを使うこと自体、偽札リスクを避けることができない。

では、ATMから偽札を受け取る確率はどのぐらいあるのだろうか?ある銀行員は記者に対して説明したところによると、実際、ATMから偽札を受け取る可能性は非常に小さいという。”我々は現金をATMのカートリッジに充填する際、2人の作業員が監視カメラによる監視のもと、2回紙幣をカウントして確認し、さらに機械を使った補助検査もある。カウントを担当する作業員は、厳しい紙幣鑑定研修をパスし、国が発行する資格書を所有している人たちばかりである。

窓口受付担当者が現金を払い出しする際、大体ひとりで行っているため、そういう意味では、ATMのほうがより安全である。この点について、中国工商銀行の顧客サービス担当行員からも同様な証言を得ている。その顧客サービス担当行員は、銀行ATMは偽札を出すことは基本的にあり得ないと述べた。銀行の預け入れ/引き出し複合機には、紙幣鑑別機能をついており、偽札であれば、受け付けないようになっている。ATM機械の預け入れ現金と引き出し用現金は別々のカートリッジに充填しており、預けた紙幣は、すぐに引き出されることはなく、行員による偽札チェックのあと、欠損や折れ曲がった紙幣を取り除いたあと、引き出し用のカートリッジに補充される。”非常に高精度な偽札がATMに預けられる可能性はないと断言はできないが、いまのところ、まだそのような事例はない。”

では、銀行のATM機は現金紙幣の番号を記録することは可能なのか?銀行は自分の潔白を証明することができるのか?この顧客サービス担当行員は、いまのATMにはそのような機能はないという。”1台のATMは毎日数十万元から百万元以上の現金を扱う。人力で紙幣番号を記録することは不可能である。”

また、あるひとは、引き出した現金は銀行の監視カメラで撮影し、カメラで紙幣番号を記録し、証拠として利用することを提案している。この方法は可能なのか?その顧客サービス担当行員いわく、”カメラレンズの精度は高くなく、番号まで撮影できない”という。

 

ソース:http://news.sina.cn/?sa=t124v71d5722817&wm=b100

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