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政策に強い発言権を持つ経済界トップたち


2012年3月6日付け 中国経済週刊

2012.3.6両会

1990年に中国証券取引市場が誕生してから22年。開設当時、上場企業数は深セン証券取引所が5社、上海証券取引所が8社だったが、2012年1月までに2352社に達し、空前の成長を遂げている。これと同時に、上場企業が経済に与える影響力も日増しに重要となり、経済成長を後押しする主力となった。

多くの上場企業は、経済界のリーダー役となり、A株*1市場で活躍する一部の花形企業の代表は、「両会*2」と言われる全国人民代表大会の代表や全国政治協調会議の委員となり、政治界でも発言力を持つようになった。

経済界で、これらの上場企業から派遣される代表や委員が絶対的な発言力を持ち、国の重要施策の決定にも影響を与える可能性がある。これらの代表が人民代表大会や政協会議に参加するということは経済振興、特に、それぞれの分野の経済振興にプラスの影響を与えることになる。

『中国経済週刊』傘下のシンクタンク等が共同で発表した「代表、委員が率いる会社株価ランキング」によると、2月28日までの統計で、人民代表2,987名、政協委員2,267名のうち、156名がA株上場企業の代表取締役だった。うち人民代表が111名、政治協商委員が45名となっている。

経済界を熟知した上場企業出身の代表や委員は、それぞれの分野に関する意見や提案を出し、「安定成長」という本年度方針の下、実りのある成果をあげることを期待されている。

2月27日のA株の株価で計算すると、これら156名の代表や委員が所属する155社の時価総額は6兆3983億1900万元(約77兆円)に達している。2月27日の深センと上海取引所の時価総額が27兆8900億元であったため、この155社で実に22.6%を占めていることになる。

この155社は金融、非鉄金属、石炭、医薬、石油化学、メディア、科学技術等の分野にわたる。そのうち、ST集団からは、ST金華代表取締役の呉一堅氏とST精倫代表取締役の張学陽氏の2名が代表となっている。

また、昨年と比べて、今年の「両会」参加企業トップ10の顔も大きく変わった。農業銀行は中国人寿に取って代わり2位、新晋大秦鉄道、三一重工は第9、第10位となった。昨年トップ10に入っていた江西銅業、中国国際航空はトップ10から外れた。

また、時価総額が1,000億元(約1兆2000億円)を超える企業は11社ある。工商銀行、農業銀行、中国平安、招商銀行、浦東発展銀行、上海自動車グループ、民生銀行、光大銀行、大秦鉄道、三一重工、中国ユニコムだ。そのうち、工商銀行は1兆5000億元(約18兆円)でトップ。時価総額から見ると、500億元から1000億元の企業が11社、100億元から500億元の企業が51社。100億元以下は83社であった。

『中国経済週刊』の統計によると、2月27日時点において、「両会」に参加する上場企業代表取締役個人が所有する株式の時価総額は413億元に達している。そのうち、人民代表である59名の持ち株の時価総額は155億元、政協委員である15名の持ち株の時価総額は258億元となっている。

個人の持ち株ランキングでは、政協委員である蘇寧電器の代表取締役、張近東氏が時価総額182億1000万元(2185億2000万円)の株を所有し、トップの座を占めた。同じく政協委員の科倫薬業の代表取締役、劉革新氏の持ち株時価総額は56.1億元で2位。人民大会代表の栄盛発展代表取締役、耿建明氏の持ち株時価総額は26.9億元で3位となっている。

また、香港のH株上場企業の代表も「両会」に出席している。中国工商銀行頭取の楊凱生氏や中国平安代表取締役の馬哲明氏、さらに、傘下の中海集運、中海発展も同時に上場している中国海運集団代表取締役の李紹徳氏など重要人物が顔を揃える。

上場企業の多くのトップが「両会」に出席しているということは、資本市場が国民経済に大きく影響していることを意味する。中国最高権力機関である全国人民代表大会では、各専門分野で重要施策の決断を下す時にも、彼らの発言は的確で説得力がある。

これらの代表や委員が所属する上場企業のほとんどが中央政府管轄企業や、地方の各業界のリーダー役企業である。その意味で、上場企業の代表からの提案を取り入れる時は、“決議が市場の独占を加速”してしまう傾向について注意しなければならない。また、民営企業や、中小企業の代表にも人民代表大会や政協会議で発言権が得られるよう、チャンスを与えるべきだという意見もある。

*1:上海・深圳の株式市場に上場している同国企業を対象とした市場の種別で人民元で取引される。上海証券取引所に上場しているA株は「上海A株」、深圳証券取引所に上場しているA株は「深センA株」と言われている。
*2:「両会」全国人民代表大会と全国政治協商会議。日本の国会に相当する。

ソース:http://finance.chinanews.com/cj/2012/03-06/3720136.shtml

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