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刑事事件の和解適用範囲広がる


2012年3月8日付け 正義網

2012.3.9訴訟法

3月8日、第11回全国人民代表大会5次会議の記者会見で、全国人民代表大会常務委員会法制工作委員会副主任の郎勝氏が、刑事訴訟法修正案(草案)に関する質問に答えた。

記者:草案には、起訴された事件について、当事者和解という手続きがあり、その適用範囲を厳しく限定しているが、それはどのような考えに基づいているのか?

郎勝氏:現行の刑事訴訟法では、被害者やその法定代理人が起訴した事件*1については、和解の選択肢があるが、公訴事件*2については和解に関する規定がない。中国で公訴というのは検察機関が国を代表して被疑者或いは被告人に対して訴訟を起こす行為だが、経済や社会の発展によって、民間紛争による訴訟でも、穏やかで平和的な方法で解決した方が、重い処罰よりも社会的には良い効果をもたらす場合もあると考えられるようになった。それを考慮した上で、再三の検討を加えた結果、和解という選択肢を公訴事件にも取り入れることにした。

更に郎勝氏は、これは新しい制度であるため、慎重にとらえる必要があると言及した。適用範囲の制限については、この手続きは、民間紛争で、人身権利、民主権利、財産権利を侵害した嫌疑がかけられた場合に限る。直接、社会や公共利益を脅かす事件には適用しない。また、適用される事件の性質は、極めて悪質なものではなく、裁判の判決が3年以下の有期懲役となる場合に限る。殺人罪や重度傷害罪等の悪質な事件は、民間紛争が原因となった場合でも例外とする。

また、事件が過失によるもので、判決が7年以下の有期懲役の場合に適用する。ただし、条件として、国家機関の公務員の汚職は、過失によるものでも和解は適用できない。公務員は厳しく法律を守るべきとする国の方針が現れている。民間紛争の範囲内で、過失によって損害が発生した場合、被告人が誠意を持って謝罪し、被害者の理解を得られれば、この和解手続きが適用される。和解とは、寛大に処分することで、処分しないことではない。

軽微な罪状の事件に新たな不公平要素が出てくることを防止しなければいけない。たとえば、“金銭の力で処罰を左右する(罪を犯したのに、すぐに賠償金を払う)”という取引があった場合、和解の適用については、厳しく審議しなければならない。被告人あるいは被疑者が誠意をもって謝罪し、被害者も加害者の謝罪を受け入れ、壊れてしまった社会的関係を和解により修復できる場合に限り、司法は寛大な処分を検討する。

この他、草案では、“自白を強要してはならない”という規定と、“警察の尋問に対し、被疑者は真実を答えなければならない”という規定が矛盾しているのではないかという質問に対し、郎勝氏は、中国の刑法には、“被疑者が尋問に忠実に答えた場合は寛大処分を受ける”という規定がある。刑事訴訟法では手続法*3として規定しているため、刑法の規定を実行しなければならない。これは、2つの角度から規定されているものであるため、矛盾しているわけではないと説明した。

*1:中国の法律用語では、「自訴」という。日本では、被害者やその法定代理人が起訴することはできず、全ての刑事事件は、検察官による起訴となる。

*2:「公訴事件」検察が起訴した事件のこと。

*3:「手続法」法律には実体法と手続法がある。実体法とは、法律関係それ自体の内容を定める法のことをいい、手続法とは、実体法が定める法律関係を実現するための手続を定める法のことをいう。民法、商法、刑法が前者の典型であり、民事訴訟法、刑事訴訟法が後者の典型である。

 

ソース:http://legal.people.com.cn/GB/188502/17333620.html

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