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男女比率アンバランスの是正


2012年03月29日付け 人民網「人民日報」

2012.3.29男女比アンバランス

3月28日、中国国家人口と計画生育委員会は、30年以上も連続していた出生男女比率の偏りが、初めて“3年連続低下”したと発表した。中国が数年来実施してきた、出生男女比率の総合的是正対策が、一定の効果を挙げた事を示すものとなった。

国家統計局の発表したデータによれば、出生男女比率は2009年の100:119.45(女:男)から、2010年は117.94に、さらに2011年には117.78へと、この30年間で初めて、3年連続の低下となった。しかし、依然として出生男女比バランスの警戒ラインを10ポイント以上上回っており、比率低下を確実に行うための努力を今後も継続する必要がある。

国家人口と計画生育委員会宣教司司長の張建氏の見解によれば、比率の低下は、政府が近年実施してきた“2つの非”行為(性別鑑定しない、中絶しない)の撲滅や“女児を大切にする”キャンペーンをはじめとする一連の是正対策が、一定の効果を挙げていることを示すものである。現在の中国の出生男女比率は依然として大きな偏りを見せており、このアンバランス状態の是正は、しばらくは政府の関与が必要である。

■“2つの非”が招く男女比率のアンバランス

2011年7月13日、海南省儋州市の丁(匿名)は、女児を希望しない妊婦に中絶手術を行おうとした際、一般市民からの通報により、関係当局に逮捕された。取調べの結果、丁は2009年から自宅で不法医療行為を行い、毎月少なくとも2例の薬物による中絶手術を行っていた。

南開大学人口と発展研究所の原新教授は、医学的に不必要な胎児の性別鑑定と中絶手術が、出生男女比率のアンバランスを生じさせる直接の原因だと指摘している。自然界の法則では、正常時には、女児100人の出生に対して103~107人の男児が相応である。男児の死亡率は女児より高いため、結婚適齢期に成長した時点で男女比はほぼ均等になる。国連は出生男女比の正常値を103~107と設定している。

1980年に入って超音波画像診断装置が普及されるようになってから、中国の出生男女比はアンバランスな状態が続き、2008年には120.56にまで達した。ここ3年間は低下傾向が現れ始めたものの、依然として警戒ラインより10ポイント以上高い。これはつまり、女性に対し、男性が10%以上も余っているということだ。

国家統計局の人口統計データによれば、現在、中国では19歳以下の年齢層で男女比が著しくバランスを欠いている。2020年には結婚適齢期の男性人口が女性より2400万人も多くなり、数千万人規模の“余剰男子”が“嫁不足”に陥ることになる。

張建氏は、出生男女比のアンバランスが長期的に継続している事は深刻な人口問題にとどまらず、重大な社会問題であると指摘している。共産党中央及び国務院(内閣)も一貫してこの問題を重視しており、出生男女比アンバランス問題に関する総合的対策を、次期の人口問題解決統一計画のひとつに取り上げている。

政府は“2つの非”行為の処理に関する一連の法律法規を相次いで公布し、医学的に必要としない胎児の性別鑑定と選択的中絶行為を厳しく禁じると共に、中絶薬などの処方の管理を実施する。

■“2つの非”を撲滅し、“女児行方不明”を食い止める

出生男女比率のアンバランスを食い止めるため、2011年8月から2012年3月までの期間、国家人口と計画生育委員会、衛生部、公安部などの6つの政府機関が連携し、“2つの非”行為の撲滅プロジェクトを実施した。

海南省儋州市の蔡(匿名)は、現在妊娠4ヶ月である。一人目の子が女児だったため、二人目には男児を望んだ。彼女は夫とともに親類に紹介を頼み、病院の超音波診断で胎児の性別を知ろうとしたところ、思いもよらず、親戚から「最近はどこの病院でも超音波検査室にネットワーク監視システムが設置されていて、医者も違法行為はできない」と聞かされた。

儋州市は海南省でも出生男女比のアンバランスが甚だしい地区で、“2つの非”撲滅当局は市内19ヶ所の医療機関の超音波検査室に合計22台のネットワーク監視システムのカメラを設置し、監視端末を衛生監督所に設置して、全市の妊婦の超音波診断に対してリアルタイムで監視を行っている。

海南省人口計画生育委員会の隋枝葉主任によれば、儋州市は超音波画像診断と中絶薬の使用及び、中絶手術の管理制度が確立し、整備されている。例えば、妊婦が超音波画像診断を受ける際、3名の医療従事者が現場で相互に監督し、検査終了後は3名が全員で記録し署名することが規定されている。カルテも常に衛生部門や人口計画生育部門の監督検査を受けることになっている。

しかし、こうした監督規制があるのは正規の医療機関のみであり、“女児行方不明”の背景には、もうひとつの隠れた“2つの非”闇市場が存在する。

地下の“2つの非”行為の撲滅のため、儋州市衛生局ではさらに再調査制度も実施している。市の衛生監督所で10日ごとに、産婦人科や超音波画像診断装置のある医療機関に対して中絶手術と女児の出生情況について抜き打ち調査を実施し、問題が発見された場合は溯って調査する。

儋州市の人口計画生育委員会では出生の実名による登記モニタリングを強化しており、毎月、全市の出生男女比のデータを逐次把握している。また、“2つの非”撲滅当局に告発ホットラインを設け、告発者に対して1件に付き3万元から4万5千元(1元=約13円)の報奨金が支給される。

その他の各地でも“2つの非”撲滅キャンペーンが実施されており、重大な違反事案の処理が重点項目となっている。2011年、江西省では合計2064件の“2つの非”事案が処理され、2010年の3倍以上であった。この中には、公立病院が147ヶ所含まれている。医療従事者の免許取り消しが312件、解雇された医療従事者が197名、身柄拘束と実刑が83名、罰金処分が1072万6千元となった。この1年で、江西省では全省の出生男女比が初めて120を下回る119.25となり、10年来の最低数を記録した。同省人口計画生育委員会宣教処の李先春処長は、“2つの非”事案の摘発の取り組みが、違法者に大きな打撃を与えたと振り返る。

■根本的対策は、女性の生存と成長環境の改善

長期にわたる男女比のアンバランスは、社会に“重い借金”を背負わせる。張建氏は、出生男女比アンバランスの問題を治めるには、“2つの非”の摘発という“目標対策”だけでなく、“根本的解決”が必要だと指摘する。女性の健康的な成長に有利となる政策環境を作り出し、男女の公平かつバランスの取れた発展と女性の社会的地位の向上を推し進める必要がある。

伝統的な概念では、農村で男児が好まれるのは、労働力を増やすことで収入増につながり、老後に備えるという、経済的要因によるものである。しかし、未発達地区の人口問題に関する調査レポートによると、ここ数年、経済面における男児の貢献度は女児に及ばない、という結果が出ている。

実際、沿海部など比較的豊かな地区では、経済条件が向上し、社会保障体系が日々充実する情況にあっても、出生男女比のアンバランスの傾向を効果的に抑制できていない。

中国人民大学社会と人口学院の楊菊華教授は、“出生男女比のアンバランス問題は、実質的には女性の社会的権利の問題である”と指摘する。現在、中国の女性は教育レベルでは基本的に男性に追いついているものの、その他の指標では明らかに男性を下回っている。経済面でみると、女性も幅広く社会参加しているとはいえ、職業上の地位や収入は高くない。また、学生や職員の募集時に、条件が同等な場合、往々にして男性が採用される。

“2つの非”行為を根本から防ぎ、女児の生存と成長の環境を改善するため、2003年から、国家人口と計画生育委員会は全国規模で“女児を大切に”というキャンペーンを実施している。違法行為を規制するメカニズムと、利益で誘導するメカニズムを取り入れることで、女児の成長とその家庭の発展に有利となる社会・経済政策と社会保障制度を制定する。

例えば、江西省では“陽光助学プロジェクト”を実施し、全省12468名の農村女子に対し、高校在学中に毎年1人1000元(1元=約13円)の資金援助をしている。また、計画出産“緑の老後”プロジェクトでは、省の財政から8000万元を拠出し、計画出産で女児のみが生まれた農家16万世帯に対して500元の苗木を無償提供し、彼らが“緑の財産”を作り出せるよう支援することで、彼らの老後の懸念を取り除いている。

 

ソース:http://travel.people.com.cn/GB/17525916.html

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