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中国政府の人口流動政策:国内移民


2013年6月21日、IBTimes

居住証

中国政府はずっと破綻寸前の戸籍制度を打開すべく試行錯誤を続けている。彼らは海外の移民政策を国内の越境人口にも適用しようとしている。少なくとも、最近公表された上海居住証ポイント制度からそんな印象を受ける。

6月19日、上海市政府が報道記者会見で、「上海市居住証管理弁法」が2013年7月1日より施行されると発表した。管理弁法では、累積ポイントが基準に達すると、それに応じた公共サービスが受けられると明確な基準を定めた。例えば、同居する子供が関連規定に則り、上海で高校入試や大学入試が受けられるようになる。それに必要なポイントは120点。

ポイントの累積体系には、基準項目、加算項目、減点項目、1発取消項目の4つに分けられる。

基準項目には年齢、学歴、職務や技能資格、上海での勤務年数と社会保険費の納付年数などが含まれる。例えば、学歴では最高110ポイントを獲得することができる。

ポイント加算項目には、人材が不足する業種、投資や納税による地元雇用創出への貢献、社員の社会保険費の負担額、特定公共サービス、郊外重点地域、全日制インターンシップ、表彰受賞などが含まれる。例えば、上海の郊外重点地域で勤務し、かつその地域に住む場合、最高20ポイントが与えられる。

減点項目には、虚偽の資料を提出した場合、拘留や刑事犯罪の前科がある場合などで、例えば、5年以内に拘留の行政処分を受けた前科があるひとは、1件につき50ポイントの減点となる。

1発取消項目には、一人っ子政策に違反した者、または重大な刑事犯罪を犯した前科のある者は、ポイント申請の資格が取り消される。

これらの内容から分かるように、2種類の人たちを上海政府が欲しがっている。ひとつは教育水準が高く、上海市に不足する専門分野の人材で、彼らは最高のポイントを獲得することができる。もうひとつは企業家と投資家である。加算項目では、上海で投資し税金を払う者、または上海市の雇用創出に牽引する人たちは最高100ポイントが与えられる。

著名な経済評論家の叶檀はこう指摘する。前述の2項目は世界で主流となっている移民政策と類似している。つまり、技術移民と資金移民を獲得するための政策で、カナダやオーストラリアはこの政策を採用しており、上海市もそれに追随した。

上海が公表した公式データによると、2011年上海市常住人口は2347.46万人で、人口の1.7%を占める。外来の常住人口は935.36万人に達し、全常住人口の39.8%を占める。2011年の常住人口は前年比45.5万人増え、第6回国勢調査と第5回国勢調査との間の10年間、常住人口は661.15万人増え、年平均増加人数は66.1万人で、増加率は40.3%である。大都市に移り住む人口の多くが所管部門に登録していない実情を考えると、常住人口は政府統計より遥かに多い可能性がある。

”多過ぎる人口、破壊される環境、社会保障水準のギャップ、これらの社会問題が、大都市に技術移民と資金移民を優遇する政策に舵を切る決定的な要因である”と叶檀は分析する。

同時に、上海市のやり方に2つの問題があると彼女は指摘する。”まず、政府が定めた専門技術者を優遇したところで、市場が本当に必要とする人材が獲得できるとは限らない。結局、上海で高いポイントが与えられるのは増えつつある高学歴の出稼ぎ労働者であり、高給取りが行く出稼ぎ先という上海のイメージから脱却することは更に難しくなる。次は、投資して雇用を作れば高いポイントが与えられるというが、本当の企業家は既に世界に目を向けているので、上海市はもっと起業家に目を向けるべきだ。”

ソース:http://www.ibtimes.com.cn/articles/30423/20130621/144728.htm

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