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中国決済市場の表と裏


2013年8月27日、筆者:十一月の雨(ペンネーム)

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今日午前、支付宝(中国最大の第三者決済サービス)は公式微博でコメントを投稿した。”既に多くの皆さんがご存知のように、支付宝は全てのオフラインPOS業務を停止することを決定しました。既存の提携先に対して、業務に支障がないように適切な措置を行います。これによって、お客様及び提携企業に多大な不便を与えたことを深くお詫び申し上げます。ただし、オンライン決済サービスにおいて、決して成長の歩みを止めることはありません。”

この声明が発表されると、メディアで大きな波紋を呼んだ。矛先はそのまま最近話題をさらった”銀聯独占問題”に向けられた。支付宝がPOS業務を停止したのは、きっと銀聯と関連がある。かつて、中国銀聯が発表した”銀聯カードの非金融決済機能を強化し、銀行と銀聯の権益を守る”と題する資料の中で、2014年7月1日までに非金融機関による銀聯カード取引は全て銀聯ネットワークに移行すると明確に記載されている。これに対して、業界内では、銀聯が第三者決済を妨害するのは、明らかに決済市場を独占しようとしていると見られている。

しかしながら、支付宝は銀聯の市場独占戦略に非難の声が鳴り響く中で、オフライン決済業務を停止したことに、深い意図が感じられる。

既に周知の事実ではあるが、銀聯はオフライン決済市場の先駆者である。一方、支付宝はオンライン決済の市場を獲得した。我が国の決済業務の2大巨頭として、2社が直接対決することはあまり想像できない。

支付宝にとって、オフライン決済はコア事業ではなく、提携先もそんなに多くない。3年間に3億元(約50億円)を投資した以外は、あまり公になった進展はなかった。業界に詳しい関係者によると、現状支付宝のオフライン決済の取引額は月数億元程度で、オンライン決済の取引額と比べれば、ほんのわずかである。オフライン決済から撤退しても、支付宝の収益に何の影響もない。

この出来事で、支付宝の決済市場における収益性を心配する人がいる。例え銀聯が第三者決済を傘下に置こうとしても、やることは手数料を徴収するぐらいで、支付宝は全く当該サービスを停止する必要はなかった。しかも、その期限まだ先なので、いまの時点で決定するのは少し拙速の感が否めない。

筆者の推測では、支付宝がこのタイミングでこのような決定を下したのは、以下のような可能性が考えられる。

その1、支付宝と銀聯は裏で取引をした。もしある時、支付宝と銀聯がそれぞれオンライン決済とオフライン決済市場をそれぞれ独占した場合、決済市場は本当の意味で独占の時代を迎える。

その2、もし銀聯が支付宝を説得し、戦略的に支付宝にとっての”枝葉ビジネス”を放棄させたとすると、ほかの決済企業を説得する難易度は半減するではないか?

その3、銀聯にとって、今回の件で手に入れたのは罵声だけかも知れない。だが、この件で支付宝が銀聯に大きく譲歩した形となり、第三者決済業界の代表として身を削る英断を下したことで、自分の業界内におけるリーダー的地位を誇示できた。

ビジネスの世界では、全ての決断は衝動的な結果ではなく、見えないロジックや目的が隠れており、それをよく吟味する必要がある。

 

ソース:http://www.tmtpost.com/59419.html

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