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微信が変える6つの業界


概要:決済機能のリリースに伴い、微信(中国版LINE)は日常生活のあらゆる場面に浸透し、今後これら6分野にパラダイムシフトをもたらすだろう。ーー①広告業界、②電子商取引(EC)、③出版業界、④映画館とレストラン、⑤CRM(顧客リレーション管理)、⑥投資業務

1店頭でエチケットガムを見付けると、携帯電話で微信を起動し、包装紙にあるバーコードをスキャンすると、すぐさま携帯電話に易訊、アマゾン、当当、1号店(ともにネットショッピングサイト)で販売されていることが表示される。易訊は9.9元、当当は9.9元、アマゾンは11元、1号店は10元。この中で易訊と当当が一番やすい。易訊へのリンクをクリックし、支払は微信支付(微信の決済サービス)を選択する。既に微信支付のアカウントを持っていれば、その場で決済が完了する。アカウントがない人は、アカウントを開設し、それに銀行口座と暗証番号を設定し、本人認証が終れば、当該決済サービスを利用することができる。

街中でQRコードを見掛けると、微信を起動し、遠くからQRコードをスキャンする。スキャンした結果、それはあるデパートの公式微信アカウントへのリンクだった。公式微信アカウントに行くと、そこに掲載されたセール情報の中に気に入った商品があれば、その場で購入することができる。

ポスターにいい言葉が書いてあって、最後にQRコードがある。例えば”微成交(Vchengjiao)”のような。微信を起動し、離れたところからスキャンすると、そこは微信を使った広告代理店の公式アカウントだったと分かる。

スキャンすると、そこに新しい世界が広がる。これは微信5.0の中でスキャン機能に対して付けたキャッチコピー。スキャン機能によって、オンラインとオフライン、人と機械、物とネットが結ばれた。この結合体に微信決済が加わったことで、オンラインとオフライン、人と機械、物とネットは完全に融合された球体になった。

筆者は多方面からの分析を通して、この融合体は6つの新たなビジネスモデルを創出し、同時に6つの既存ビジネスの勢力図が微信によって塗り替えられると予測する。

 

1 広告業界 ーー 無駄だった50%の広告代を取り戻せ

伝統的な広告は基本的にテレビ、ラジオ、新聞や雑誌など、従来のメディアに広告を見せる手法である。放送系のメディアは通常コマーシャルの時間と時間帯で値段が決まる。紙媒体だと、掲載場所、発行部数と占有面積で計算する。どんな計算方法でも、広告主は広告のコンバージョン率(成約率)を知ることはできない。

Dellは伝統的な広告の最も熱心な利用客であり、いろいろなメディアに注文用のダイヤル番号を掲載している。それでも、消費者の関心を購買につなげることに苦労している。

WEB1.0の時代、インターネット広告はホームページに広告を載せるだけが主流だった。料金計算は従来の紙媒体と大差なく、つまりアクセス数(=発行部数)、掲載場所と広告サイズで料金が決まる。そのため、新浪(中国大手ポータルサイト)のトップページに広告を載せると、1回の表示だけで費用は500元(約8000円)にもなると不満をこぼす広告主が多かった。

WEB2.0になると、インターネットは人とパソコンの連動を強調するようになり、広告費用の多くもCPC(Cost per Click:クリック単価)やCPA(Cost per Acquisition:成果単価)で計算されるようになった。ある広告を何人がクリックしたか?あるアプリの広告で何人がアプリをダウンロードしたか?広告料金の主な計算方法にこれらに変わった。

モバイル時代の到来とソーシャルメディアの勃興により、微信のスキャン機能と決済機能が広告のCPS(Cost per Sales:売上単価)を可能にした。消費者は商品を見て、スキャンして、価格比較して、その場で購入する。広告がもたらす売上効果が非常に直感的で、かつて宝潔(中国化粧品メーカー)のCEOが嘆くように“50%の広告費は無駄だった”のようなことはなくなる。

 

2 電子商取引(EC) ーー ECサイトはプラットフォームではなくショーウィンドウだ

いつどこでも、商品に付いているバーコードをスキャンすれば、その商品がネットで売られている価格を一覧することができる。その中から一番安いのを選んで、クリックすれば購入完了。これが微信が提供する至極のショッピング体験。

この体験の中で、微信は商品購入の入口になり、無数にあるネットショップはただ商品を陳列するショーウィンドウに過ぎない。消費者はそこから一番安い商品を選ぶだけ。例えて言うなら、巨大な卸売市場の中でウォルマートやカルフールなどが詰め込まれたようなもの。その中で競争するのは値段とサービスで、値段が安いところ、サービスが良いところから、消費者が商品を選ぶ。

 

3 出版業界 ーー 電子出版と自主出版への進化

従来の出版業界は改革を迫られていることは既に周知の事実。書籍の電子化、音楽の電子化、映画の電子化などなど、あらゆる従来の出版物の形態は電子化された。

本やCD、映画ポスターを見れば、バーコードをスキャンすれば、内容の概要が分かり、簡単に買える?いや、それだけではない。本のバーコードをスキャンすると、電子書籍が表示されるかも知れない。CDのをスキャンすると、その曲のMP3ファイルが見付かるかも知れない。映画ポスターをスキャンすると、直接オンラインでその映画が鑑賞できるかも知れない・・

これは無数のアーティストや作家にとって、自由に創作するチャンスである。無名の作家が自作の小説を微信の友人たちにシェアしたり、または公式アカウントで連載したりして、内容でファンを獲得し、微信の決済機能で小説を買ってもらうことができる。若い歌手は新曲を無料で試聴させることができる。短編映画や自作動画を作って多くのひとに観てもらうことができ、運が良ければ広告会社の目に止まることがあるかも知れない。

羅振宇(人気テレビキャスター)は微信の公式アカウントで160万人もの会員を集めた。筆者の知り合いの作家が微信で友人向けに「独身は幸せの前戯」という小説を連載し、小説による収入は既にまともな生活ができるレベルにまで達している。微信の出現と微信決済機能のリリースによって、我々が電子書籍の善し悪しについて議論している間に、自主出版は既に静かに広がり始めている。

 

4 映画館とレストラン ーー サービスのO2O(Online-to-Offline)

“O2O”、インターネットモバイルが盛んになって来た頃、これはネット評論家や創業者が口癖のように使った言葉。かつてのインターネットは、まだO2O(Online-to-Offline)を実現できなかった。国を覆い尽くすほど異常発生した団体購入グループの“群れたち”は、街隅々のレストラン、映画館、カラオケ店、マッサージ店、美容室に押し寄せ、実店舗に少しの不定期な利益をもたらしたが、本当の意味で持続的な利益を与えることはなかった。

微信の登場によって、4億の顧客をオフラインの実店舗まで届けることができるようになった。顧客は微信を使って近くの店を探し、欲しい商品やサービスを選び、微信で支払を済ませれば、その店で商品を受け取ったり、サービスを受けたりすることができる。行列に並ぶ、予約をしなければならないなどの煩わしさはない。これはかつての団体購入によるO2Oとは全く違うビジネスモデルである。店舗は微信を使って近くにいる顧客を案内することで、持続的に近くにいる顧客を店に誘導することができる。

同時に店にとって、顧客が微信の決済機能を使って支払することで、本当の意味でO2Oの輪がつながったことになる。

 

5 会員カード ーー CRMの新しい形

財布を開けて見ると、銀行のキャッシュカード以外に会員カードやプリペイドカードなどがたくさん入ってるのではないだろうか?地下鉄カード、バスカード、美容室の会員カード、火鍋の店のポイントカード、スーパーの会員カードなど・・・分厚いカードの束の中で、残っているポイントや金額が分からないカードも結構あるではないだろうか?

微信決済の公式サイトに登録すると、そこは店情報管理のプラットフォームになる。各店の情報、ポイント、購買履歴を記録することができる。顧客は微信をダウンロードした携帯電話があれば、ぷっくり膨らんだ財布ともおさらばできる。また、店にとっても、微信でバーチャルのカードを発行すれば、カードの発行コストを遥かに低く抑えることができるし、高くて使いづらいCRMシステムを導入しなくて済む。微信から直接いろいろな顧客情報や売上情報を見ることができる。

もうすぐ微信と連携する羊城(レストラン)はいい例だ。難しいデータベースや顧客情報、機種がバラバラのPOS端末がなくなり、微信でチャージした電子マネーで支払することで、現場の端末、バックオフィスのデータベースとそれに付随する大規模設備を統合された形となる。店にとって競争の要である顧客管理がいとも簡単に実現できた。

 

6 銀行投資業務 ーー ネット投資の試金石

大銀行が従来の金融業務のインターネット対応について議論している間、ネットバンク、テレバンク、モバイルバンクが顧客にこれらのサービスに切り替えてもらおうと悪戦苦闘している間、中国招商銀行の“微信銀行”はサービス開始してわずか3ヶ月で顧客数は100万人を突破した。顧客は微信でメッセージを送るだけで、口座情報、クレジットカードの使用状況、各種貴金属の取引価格、為替レートなどを知ることができる。

招商銀行“微信銀行”の人気を見て、ほかの銀行も慌てて”微信銀行”を始めた。顧客は銀行の公式アカウントを購読するだけで、各種銀行業務を行うことができる。

物理的な営業拠点網をバーチャルのネットワークに変える、人工的なコールセンターをオンラインコールセンターに変える、巨大なITシステムを簡単な大衆向けサービスに変える、銀行業務の改革は既に動き始めている。

国内資産規模最大の資産運営会社”華夏基金”も微信に公式アカウントを開設し、微信から資産運用業務を提供し始めた。顧客は微信の決済機能を使って運用資産の入金や出金を簡単に行えるようになった。いまは既に30社あまりの資産運用会社が微信公式アカウントを開設し、微信から金融商品を買えるようになる日はそう遠くない。

携帯で金融商品を買うことができれば、保険ももうすぐ買えるようになるだろう。

元記事:http://www.yixieshi.com/it/15557.html

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