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自由貿易区初の金融細則


 

000中国人民銀行上海総部が「上海決済機関が展開する越境人民元決済業務に関するパブリックコメント」を発表し、決済機関の越境人民元決済業務が正式にスタートした。

これで、インターネットを活用し、決済機関は国内外の実体取引に伴う人民元による決済サービスを提供することが可能になった。この革新的なサービスを使えば、消費者は新たな海外ショッピング体験を味わうことが可能になり、輸出入企業や金融機関も斬新なビジネス展開が現実となる。

 

海外ショッピングの新体験

このバブリックコメントが施行後、最も恩恵を受けるのは海外ショッピング組であろう。

海外のショッピングサイトで買い物する中国人消費者が増える中、越境電子決済へのニーズも日増しに増えている。中国工商銀行上海支店の国際業務部の副総経理黄氏いわく、“かつて人民元越境決済は主に企業に限定されており、個人による人民元の越境決済はずっと開放されていなかった。”

昨年10月、国家為替管理局が通達した「決済機関の越境EC業務に伴う外貨決済業務の試験的導入に関わる指導内容」で、ひとつの突破口を開いた。個人消費者でも第三者決済機関を通じて支払すれば、決済機関は消費者の人民元を外貨に両替し、海外のEC業者に支払処理を行う。

しかし、これには外貨両替が必要であるため、決済機関の外貨支払業務はまだ完成型ではなかった。海外ショッピング組は両替手数料を負担しなければならないほか、為替リスクも負わなければならない。海外ショッピング組の商品発送期間が長いため、その間に為替レートが変動すると、消費者が返品しようとした場合、外貨両替で損益が出てしまう。

銀聯電子決済公司総経理の孫戦平氏は記者に対して、現在は香港、マカオ、台湾などの地域とロシアなどの国の企業は越境貿易契約にサインし、人民元での決済を受け入れていたことを明らかにした。人民元による越境決済がスタートすると、ネットショッピングはすべて人民元で決済できるようになり、海外ショッピング組のショッピング体験がさらに快適なものになる。

 

輸出入企業に新たなビジネスチャンス

バブリックコメントの恩恵を受けるのは個人だけではない。B2Bに従事する輸出入企業もその受益者である。

オープニングセレモニーの会場で、快線支払公司、中国銀行上海支店と台湾の関貿網路がその場で14万元(230万円)の取引にサインし、それは今後の台湾産果物の購入に使われる。決済機関の越境人民元支払サービスを使えば、5日間ですべての手続きが完了する。これまで、発注、見積から通関、支払まで、全プロセスで2週間以上かかっていた。

中国銀行上海支店支店長の潘岳漢氏によると、決済機関の越境人民元支払サービスは、人民元で決済できることだけがメリットではなく、ネットを活用したオンライン取引もひとつの強みで、これによって輸出入業務がもっとスムーズに行うことができるという。

快線公司CEOの関国光氏は、快線と関貿網路が提携して運営するECサイトを例に取って、個人の注文でも、企業の発注でも、電子化されたシステムが越境取引の全プロセスをカバーしていると解説してくれた。台湾企業の商品展示、取引交渉から、オンライン契約、電子伝票、資金預託、支払決済、通関手続きまで、全プロセスでペーパレス化を実現した。

それだけではなく、取引相手同士の間に第三者決済サービスがあるため、かつて輸出入双方に使われた信用状はもはや“無用の長物”となった。関国光氏の分析によれば、取引の支払方法が一括支払でも分割支払でも、取引代金はすべて決済機関が担保し、入金は通関検査の証明資料に基づいて実施するので、取引双方の利益が守られるという。国際貿易でよく見られるドル計算で作成される取引信用状はやがて姿を消し、ネットの金融アプリがそれに取って代わるだろう。

 

金融機関にも商機

パブリックコメントの定めでは、上海で登録した決済機関、また上海市以外の地域で登録した決済機関で自由貿易区で支店を持つ機関、かつ中央銀行からネット決済業務の認可を受けた金融機関は、人民元越境決済サービスを提供することができる。初回認定された5社の決済機関はすべて上海の企業で、彼らは自由貿易区の金融細則がもたらす利益を先取りすることになる。

国内決済分野では熾烈な競争が繰り広げられているが、海外決済分野はまだブルーオーシャンの世界だ。先に人民元越境決済業務の資格を手中にした企業は、海外のECサイトと提携し、人民元支払サービスを提供することができる。

これは国内決済市場以外に、突如として現れた新たな“パイ”である。工商銀行上海支店の関係者によると、第三者決済業務は国内から海外へ拡大することは当然の成り行きで、企業が業務拡大を実現する貴重なチャンスでもある。越境決済の市場を奪うため、国内決済機関は海外ECサイトと提携し、海外で中国語のECサイトを構築し、共同でプロモーション活動を行うケースが増えるだろう。

このほか、銀行にとってただ業務量が増えるだけではない。ネットを通じて越境B2BとB2Cを推進すれば、銀行はネットを活用してサービス品質を改善し、銀行の経営リスクや運用コストを減らすことができる。例えば、将来銀行はもはや多くの営業マンを必要としなくなるだろう。ネットでショップを開設し、受付窓口もネットに設けることで、国内外の企業により便利なサービスを提供することが可能になる。

同時に、銀行のリスク管理は、かつての静的な資産と実物から判断するモデルから、動的なリアルタイム情報やキャッシュフローから判断するモデルに切り替わるだろう。

 

元記事:http://news.online.sh.cn/news/gb/content/2014-02/19/content_6693219.htm

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