“チャイナなう”編集室 当サイトへの広告掲載に関するご相談は編集室まで!

“1元起業”が可能に


1今年3月1日より、国務院が承認した“企業登記制度改革法案”に従い、法律、政令及び国務院が定める特殊事業に対する最低登記資本金の制限以外、有限責任会社の最低登記資本金3万元(50万円)、個人有限責任会社の最低登記資本金10万元(160万円)、株式会社の最低登記資本金500万元(8000万円)は撤廃される。

つまり、理論上1元から会社を設立することができる。1元の会社も、100万元の会社と同じように登記することが可能で、施行期間は100年だが、この制度で確かに会社設立のハードルは下がり、機動的な運用が可能になる。

 

創業コストが最大限に下がる

今回の改革で参入企業の許認可条件がさらに緩和され、創業者にとって会社登記のハードルと、創業コストが最大限に下がったことになる。これは零細企業、特にベンチャー企業にとって心強い追い風となる。

改革法案によると、会社と株主(会社発起人)は独自に登記時の資本金総額を決めることができる。これまでの最低登記資本金、有限責任会社3万元(50万円)、個人有限責任会社10万元(160万円)、株式会社500万元(8000万円)の規制が撤廃され、理論上は1元でも会社を設立することができる。さらに、独自に会社設立発起人の出資比率を決めることができ、つまり出資金がゼロでも発起人になることができる。

出資形式と現金による出資金の比率を独自に決めることができるので、科学技術、文化創造、斬新なサービス業などのイノベーティブな企業にとって、知的財産、実物、土地使用権などの財産権の出資金に占める割合を高めることで、創業初期の資金不足の問題解決になる。

このほか、2年以内の出資金目標も撤廃され、株主(発起人)が必要な資本金になるまでの出資期間を自由に決めることができるようになり、株主(発起人)の資金運用効率の改善につながる。

 

現行制度は会社設立に最低3万元(50万円)必要

現行制度では、有限責任会社を登記する際、最低資本金は3万元で、3万元の現金が会社の口座に入金したあと、会計事務所が作成する証明資料と事前審査の各種証明書を揃えて、初めて工商部門に営業許可を申請することができる。

もし、資本金100万元(1600万円)の会社を設立する場合、銀行口座に最低25万元を入金しなければならず、つまり初期出資比率は25%以上である必要がある。出資期間中に資本金をほかの目的で引き出したりする虚偽出資が見付かると、資金の不正利用として調査を受ける可能性がある。

3月1日後、会社設立に関わるこれらの制限はなくなる。会社法がこのように変わったのは、会社の信用を担保とする発想から来ており、これはある程度企業に対して制約効果があると考えられている。

もうひとつは、起業を促進する狙いもある。もし“保証金”が足りなければ、会社を設立することができない。例えいいビジネスチャンスを見付けても、何もできずに逃してしまう。

 

1年間会社を運営するのに最低数万元(数十万円)かかる

“1元起業”という言葉は、メディアが会社設立のハードルの低さを表す時によく用いられるが、実際それはただの“都市伝説”に過ぎない。

北京市行政書士協会理事李保杰氏の試算によると、最低限の経営条件で有限責任会社を運営した場合、営業認可を取得する期間、工商部門への登記、税務局への登記、技術監督局から営業コードの取得、社会保険登記など、それにかかる人件費と手数料などで、少なくても200元(3200円)になる。

このほか、納税管理端末と関連のアプリケーションの購入代金、プリンタ、事務所などの費用で3、4000元(5、60万円)はかかり、これが現実の初期投資である。

車のメンテナンスと同じように、会社にも運用のコストがかかる。固定費用は売上の有無に関わらず出て行くものだ。例えば、蘇さんがヘッドハンティングの会社を設立したとして、ヘッドハントだけなら立派なオフィスや執務室を必要としないので、カフェやレストランの飲食代だけで済む。

蘇さんはできるだけ出費を抑えるため、オフィスは外環状線にあるオフィスビルに2席の執務スペースを借りており、その使用料は月1000元(1万6000円)。社内事務作業はすべて外部に委託し、毎月の経理処理は300元(5000円)、伝票整理と集計業務は月100元、これらを足し合わせると、最も節約してやりくりしても、会社の年間固定費は最低でも1.6万元(26万円)。

 

架空会社の売買が可能

会社登記がそこまで簡単になれば、実体のない架空会社を買う人もいるのでは?

“確かに、そういう人はいる”。李保杰氏は、香港の会社登記代理店はとても繁盛しているし、中国で会社登記改革が施行されたあと、同様に新たな“ビジネス”が現れるだろうと見ている。

例えば、会社登記に資金の制限がなければ、いろいろな名前で会社を設立し、それを必要とする創業者に売ることができる。工商部門の責任者によると、架空会社と言われることがあるが、正常に登記した会社は法人名義変更の形で移譲する行為に対して、それを禁止する法律はなく、理論上は違法ではないと解説する。

 

一部の会計士事務所の業務に影響

会社登記代理店への取材で分かったのは、会社登記制度改革で(資本金の)“実納”から“見なし納付”に変わったことで、会社が工商部門に登記する際、会計事務所が作成する資本金証明書を提出する必要がなくなり、それを業務としていた会計事務所に影響が出るだろう。

“この改革が我々の業界に与える影響について、私は楽観的な考えを持っている”。李保杰氏はこう付け加える。“証明資料が必要なくなることは一時的に会計事務所の業務を圧迫するかも知れないが、長期的見れば、会計処理、会計監査、信用評価などのニーズが増えることになるので、我々の業界にとって新たなビジネスチャンスとなる”。

 

元記事:http://epaper.ynet.com/html/2014-02/24/content_42419.htm?div=-1

チャイナなう編集室