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苦戦する日韓小売企業


1日系小売企業の中国市場における動向をひとまとめにして語るのは、これらの企業はほかの外資系企業とあまりにも類似しているため、区別することすらできないからだ。

これは悲劇の始まりなのか、それともハッピーエンドになるのか。

現状を見る限り、悲喜こもごもの展開になりそうだ。

日系小売企業は最も早く中国市場に進出したにも関わらず、ずっと慎重な経営を続けたため、中国の“黄金の10年”の波に乗ることができなかった。永旺(イオン)、華堂(イトーヨーカドー)、伊勢丹は、みな中国市場で思ったような発展できていない。それどころか、欧米企業の同業企業に市場を奪われている。

欧米同業企業は各地で買収と新規オープンを繰り返すことで勢力を拡大しているが、日系小売企業は決して買収でスピーディーに拡大する戦略を取ろうとしない。逆に新規店舗の開拓にも及び腰で、わずかな既存店舗で慎ましく商いをしている。

これでは日系小売企業が中国市場で大きく成長することは望めない。始めは魅力的だった陳列、レイアウト、サービスと販売も段々レベルが落ち、競争力が徐々に失いつつある。

華堂(イトーヨーカドー)は北京でずっと赤字だった。日本では高品質で鮮度の高い商品に対するこだわりで有名な総合スーパーが中国進出した当時は、地元小売企業が理想とする企業だった。

しかし、いまはどうか?

同業企業はもう華堂を気にも留めない。もし日本に行ったことがあるなら、日本のイトーヨーカドーを見学すると、その理由が分かるだろうーー元々同じ会社だったのに、なぜこうも違ってしまったのだろう?

唯一まだ見る価値があるのは、イトーヨーカドーが成都でオープンした百貨店”伊藤羊華堂”で、世界中にある200あまりの店舗の中で、その業績は常にトップだ。惜しいのは店舗数が少な過ぎる。中国進出して15年になるが、成都にはわずか5店舗しかない。

2008年の世界金融危機の時、中国市場だけが元気だったので、ほとんどの外資企業が中国市場を足がかりに拡大しようとしていた。しかし、その時、日系小売企業は中国市場で縮小戦略を選んだ。アナリストの分析では、この“黄金の10年”の間にモジモジしたため、日系小売企業はまた中国で絶好のチャンスを逃がした。

しかし、2012年は大きく違っていた。大部分の同業他社が戦略的撤退を進める中、日系企業は逆に中国市場で拡大しようとした。

日経流通新聞の小売業に関わる調査レポートによると、海外展開を計画している日本企業の中で、30社の小売企業が中国での開店を計画し、その割合が高く、企業数も前年比40%増だった。

イトーヨーカドーを例に取ると、当社は日本での業績が下がる一方だった。2012年8月、日本国内で約1割の店舗を閉鎖し、半分以上の社員をリストラすると発表したのと同時に、中国では伊藤羊華堂(中国)投資公司を設立し、中国西南部の市場開拓に着手した。また、西北部と華中にも進出し、高級路線のデパートを主要事業として展開した。

注目すべきは、この会社がその時が初めて日本以外で独資会社を作ったということ。

イトーヨーカドーだけではない。2012年3月、永旺(イオン)グループも北京で永旺(中国)投資有限公司を設立し、中国で展開していた事業を再整理し、北京天津と華北地方の市場を重点的に攻略することを決めた。それまで、永旺の中国における店舗は主に広州と深圳に集中していた。

また、数年前から中国市場で済南、上海華亭などの路面店を続けて閉鎖した伊勢丹も、この年に中国で新たに6店舗を開設すると発表した。このほか、大創百貨(ダイソー)や無印良品も新たな中国事業計画を発表した。

セブンイレブン、ファミリーマート、ローソンなどのコンビニエンスストアも中国事業の拡大を加速させた。セブンイレブンは上海、北京、成都でフランチャイズ加盟店を増やし、ファミリーマートに至っては“将来中国で25000店舗まで増やす”との目標を掲げ、ローソンも10年で中国での店舗数を1万店舗まで増やす計画を立てていた。

大型小売企業以外も、日本の小売専門店も周りの動向に逆らうかのように中国事業の拡大に動いた。日本の有名宝石商As-me ESTELLE、F&Aアクアホールディングスは次々と中国市場開拓計画を発表し、日系ファストファッション会社のユニクロは“今後10年で、中国市場の売上を日本市場の売上を超えさせる”なる目標を揚げた。

この戦略には頭を傾げざるを得ない。まさか日本企業が狂ってしまったのか?それとも、日本国内市場の不振が日系企業に中国市場で“失われた10年”を取り戻そうとさせているのか?

夢は膨らむが、現実はそんなに甘くない。中国市場はもう昔と状況は違う。一つ目は国内企業が成長して来たこと、二つ目は外資系同業他社も虎視眈々と中国市場を狙っていること、三つ目新たに生まれた業態や消費方式に押されて従来の小売業が生き残る場所がどんどん狭まれていること、それに加えて日中関係が緊迫するなどの政治的要因で、日系企業は既に機会を逸し、再び“大躍進”しようとしても容易なことではない。

2014年、かつて大々的に拡大しようとした日系企業は、いろいろな理由を付けて当初の計画を5年先またはさらに長く伸ばそうとしている。しかし、その計画はもはや実現不可能である。

しかし、高度な管理能力、洗練された陳列、全社一体の勤勉精神、差別化できる顧客サービスーー日系企業にはまだまだ強みを持っている。もし、これらの日本国内で積み上げた強みを中国市場に適応できれば、まだ日本企業に局面打開の希望が残っているかも知れない。

 

韓国系小売企業の中国進出の道は険しい

最近のある消息筋によると、2011年12月にオープンしたロッテマートの山東省東営市西城店はもうすぐ閉店される。実際、それは中国市場で苦戦する韓国企業の縮図と言える。

日系企業と異なり、韓国企業は中国市場での影は薄いーー数十社ある中国進出の日本企業に比べて、わずか数社の韓国企業はあまりにも規模が小さい。

恐らく、それは韓国独特の経済構造と関連があるかも知れない。サムソンだけで、2011年の売上が254万5600ウォンに達し、韓国GDPの22%を占める。それにLG、ヒュンダイを加えると、3社だけで韓国経済の半分を担っている。

つまり、韓国経済は実は寡占企業によって牛耳られている。そのため、何年経っても、中国小売市場でロッテマートとEマート以外に、韓国系小売企業を見掛けない理由は何となく分かる。

しかし、一国にとって少数の企業だけで構成される国内経済は非常に脆弱である。寡占企業は力を持つようになることは一見効率的で力強いが、一旦危機に直面すると、地震や津波に匹敵するほどのダメージを受けることになる。

いまのところ、サムソン、LG、ヒュンダイなどのハイテク企業が中国市場での成果は評価できる。しかし、韓国の小売企業が直面する現実は厳しい。中国国内企業はほとんど韓国系小売企業の存在を気にも留めていない。

カルフール、ウォルマート、テスコの場合は、一歩引いて次のチャンスを待つためだが、韓国企業の場合はやむなくの撤退なのだ。1997年から中国進出を果たしたEマートは、ある意味いいタイミングで参入できた。その時、カルフールとウォルマートも中国進出してそんなに経っていなかった。

しかし、2003年にやっと中国で2号店がオープンし、2011年に経営不振で一部の店舗を売却せざるを得なくなるまで、14年間で展開した店舗数はわずか27店舗だった。最も“勢いがあった”2010年でもわずか5店舗をオープンしただけで、全く話にならない。ちなみに、その年カルフールは20店舗、ウォルマートは40店舗を増やしている。

だが、Eマートは決して小さな会社ではない。韓国新世界グループの子会社である当社は、韓国で最も規模が大きいスーパーで、韓国国内に140店舗を所有し、市場シェアは32%に達する。カルフールとウォルマートが次々と韓国市場から撤退したのも、Eマートと関係なくはない。

しかし、中国市場でEマートは軌道に乗ることはなかった。データによると、Eマートは中国市場での赤字は年々膨らんでいる。2007年Eマートの中国市場での赤字は59億ウォン、2008年は194億ウォン、2009年は551億ウォン、2010年は910億ウォン(8400万ドル)に達した。

面白いのは、Eマートの中国市場における提携先の上海九百(上海第九百貨店)も自分の財務データへの影響を嫌って、大部分のEマート株を手放し、わずか“形だけ”の3%を保有しているだけ。

2011年、Eマートはとうとう我慢できなくなり、11店舗を売却した。そのうち7店舗は株式譲渡、2店舗は資産売却、2店舗は閉鎖処分で、いまは中国国内でわずか16店舗になった。

Eマートの失敗原因は、自社の経営スタイルを過剰に貫こうとし、高級路線に偏り過ぎて商品と価格のいずれにも特徴と強みを出せなかったことにある。例えば、あまりイメージ作りにこだわり過ぎていた。POS端末は全てカラー液晶に統一し、床や天井は全て韓国のLG製、売場の商品棚や内装も驚くようなコストを掛けている。Eマートの開店コストは2億元(33億円)に対し、大潤発(台湾系大手総合スーパー)はたったの5000万元(8億3000万円)。

このほか、人材の現地化もほぼゼロで、管理職は内部起用ではなく、外部からの引き抜きか、韓国国内からの派遣かである。これは韓国人の偏狭な民族主義と関係があるかも知れない。

2012年、Eマートはもはや忘れられた存在となり、ほとんど目にすることがなくなった。もし、Eマートが短期的に中国市場で挽回しようと思うのなら、それはもう夢でしかない。

 

ロッテマートも順調ではない

ロッテマートの戦略は買収による拡大で、この点はEマートよりうまく行っている。2008年6月、ロッテマートは万客隆(中国とオランダの合資会社)を買収することで中国進出を果たした。続く2009年に江蘇時代のスーパー65店舗を買収し、瞬く間に店舗数は75店舗まで伸ばし、2012年9月18日に100店舗を達成した。

店舗買収のほか、ロッテは4年間で独自に新設した店舗数は30店舗を満たないが、少なくとも拡大を続けており、2011年末にロッテ本部はいずれ本部を中国に移転するとまで言っていた。

中国市場を重視しているのは分かるが、それ以外の要素にも目を向けなければならない。ロッテマートも中国市場での業績はEマートと同じで、ずっと赤字続きだった。2008年、2009年、2010年、ロッテ北京支社はそれぞれ51億ウォン、84億ウォンと60億ウォンの赤字を出している。2011年上半期の赤字は400億ウォンに達した。ロッテ青島支社も、2008年から2010年の間に、それぞれ17億ウォン、127億ウオンと166億ウォンの赤字を出した。

ロッテマートに買い物に行くと分かるがーー例えば、北京第四環状線の公益橋西店で、店内に並ぶ商品、レイアウト、商品陳列と店舗管理を見れば、なぜ当社が中国市場での業績が芳しくないかが分かる。

スーパーの業績が芳しくないだけでなく、ロッテの百貨店事業でもつまずいている。2008年、ロッテと銀泰百貨が合弁で北京市内にロッテ銀泰百貨店をオープンさせたのはいいが、4年間で累計1100億ウォン(1億ドル)の赤字を出し、2012年6月、ロッテ百貨は当店からの撤退を決めた。

そんなことがあっても、ロッテはまだ中国市場を諦めていない。百貨店事業では、2011年から独資展開の戦略を取り始め、直営1号店を天津にオープンさせた。2012年9月1日、天津で2号店が営業を開始した。ロッテ百貨の計画では、2018年までに中国で20店舗以上の百貨店を展開する。一方、ロッテマートはこの1年で300店舗を目指そうとしている。

目標は素晴らしいが、現状を見る限り、韓国企業が外資系の巨大企業や中国の国内企業との競争で突出した強みを持っていそうもない。

要するに、あなたが中国市場を重視したからと言って、中国市場があなたを重視するとは限らない。あるブラックユーモアが面白い:韓国系小売企業の中国市場における立場は、何となく韓国国民が自称する“東アジアの大国”と似ている。自分で自分のことを高く評価しているが、周りは意外と冷めている。願わくば、韓国企業が中国市場で最終的にため息で終わらないようになって欲しい。

 

元記事:http://new.iheima.com/detail/2014/0306/59279.html

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