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介護施設 収益性が課題


 

1“高齢者ビジネス”は徐々に活気を帯びて来ており、全国で80社あまりの不動産開発会社が介護施設事業に参入している。

住宅物件購入規制が継続される中、あっちこっちで突破口を摸索している不動産開発会社にとって、“高齢者ビジネス”は新たな金脈になるとの期待から、感の鋭い不動産開発会社は2010年から既に当該事業に参入し初めていた。万科、保利、緑城、万達などの大手企業はすでに事業基盤を整いつつあるが、高い投資を必要とし、市場形成までに時間がかかる高齢者向け事業は、一見有望そうに見えるが、黒字化までの道のりは険しい。

 

成長のポテンシャルは高い

中国はいま、まさに高齢化社会に突入しようとしている。しかし、不完全な年金制度、公立老人ホームになかなか入れない問題、とても手が届かない高級老人ホームなどのニュースが頻繁に紙面を賑わす。“高齢者ビジネス”は今後20年間の経済成長を牽引すると見られており、不動産開発各社も利益を求めて、続々と介護施設市場に参入している。

2014年まで、保利、万科、遠洋、緑地、合生、万達、緑城などの大手不動産開発会社を含めて、全国ですでに80社が介護施設に参入した。

“不動産開発会社が介護施設に参入するには、絶対的な優位性を持っている。住宅開発の適正化政策は介護施設開発のこれ以上にない後押しとなる”。

保利地産副総理の胡在新氏によると、いま保利は全国の5都市で6箇所の高齢者向け住宅の建設に着手しており、今後の10年計画では50箇所の介護施設を建設する予定だという。

“不動産開発はずっと成長し続ける産業ではない。あらゆる不動産開発の中で、最も将来性があるのは介護施設開発である”。万達グループ会長の王健林氏は、介護施設こそが不動産業界の低迷を打開できる分野だと見ている。

2013年12月、万達は中国太平保険グループと北京で戦略的提携に関する契約にサインした。両社は介護施設と商業施設の開発で提携を強化することになるが、具体的なプロジェクトはまだ発表されていない。

2013年、国は民間資本の介護施設開発への投資を奨励する政策を矢継ぎ早に出した。首創や華業などの中堅企業も市場シェアの分け前をもらおうと早々と参入を決めた。華業は近日中に100万元(1600万円)を出資し、100%子会社の北京華業康年経営管理公司を設立し、高齢者向け事業及びデイサービス施設の運営と管理が主な事業内容となる。

 

見えない収益モデル

不動産開発会社は介護施設に力を入れ始め、中国社会の高齢化問題から新たな商機を見付けようと懸命である。参入する企業が絶えないが、高い初期投資を必要とし、利益が出るまで時間がかかる介護施設事業は、どうやって利益を出すかが、各社にとって難しい課題となっている。

胡在新氏は、現状、中国の介護施設はなお摸索段階にあり、業界全体の収益性はまだ弱いと見ている。海外では、介護施設の投資利回りは10%前後だが、中国国内ではまだ予想ができない。

消息筋によると、近年来、不動産開発会社がしばしば介護施設を試験的に手掛けるが、いまだ明確な収益モデルを見いだしていない。多くのプロジェクトは総合的な介護サービスをウリにしようとしているが、しかし最終的にみな資金難で施設を手放すはめになった。

業界内の関係者はこう指摘する。いま各ディベロッパー大手は介護事業を摸索する初期段階にあり、施設ごとの単独建設、単独運営がほとんどで、大規模に展開可能な成熟したビジネスモデルはまだ見当たらない。

相当長い間、不動産開発会社の主な収入は依然不動産販売であり、不動産の利用目的が観光用だろうと、産業用だろうと、介護用だろうと関係ない。いまだ収益モデルが見付からないとは言え、見込み客の囲い込みとノウハウの蓄積が参入大手の共通した認識である。

 

万科は不動産を捨て、介護事業にシフト

中国最大の不動産開発会社として、万科の一挙手一投足が業界全体の指標となる。2010年に住宅、産業施設、介護施設の3分野を強化する戦略を発表して以来、万科は杭州と北京で幾つかの介護施設を建設し試験的に運営している。しかし、万達が繰り返し主張しているのは、万達が介護施設を建設するのは、介護サービスが目的であって、箱物を作るのが目的ではないとのこと。

消息筋によると、万科の介護施設事業では、主に介護住宅とデイサービスなどに力を入れるという。3月7日、万科グループ会長の郁亮氏は、万科の2013年度決算報告発表会で、万科は今後も介護施設事業でいろいろな試みを続けると強調した。特に“介護”にかかわるプロジェクトの多くは、介護サービスなど高齢者をサポートする業務を提供するのが目的で、土地開発が目的ではないという。“不動産開発の延長としての介護施設建設に万科は興味がない”と郁亮氏は率直に述べた。

その前、郁亮氏は万科が試験的に杭州市良渚で展開する介護施設プロジェクトについて、このようにコメントした、“万科はは介護サービス事業をやりたいのであって、不動産開発をやりたいのではない。もし、不動産開発の発想で介護事業を考えているなら、それは間違いである。介護施設は道具であって、それ自体は目的ではない”。

2010年の時、万科は北京市内で試験的に介護施設“万科幸福匯”を建設し、賃貸と分譲を併用したビジネスモデルで、当社の介護施設事業の先駆けとなった。このほか、当社は北京の歓慶城と青島の万科城で試験的に介護施設を建設し、その後、杭州の良渚文化村に介護住宅を導入したが、いずれも規模は小さかった。郁亮氏によると、“部屋は売れたが、買ったのはみんな高齢者ではなかった”という。

 

保利地産の介護事業は“薄利経営モデル”

2013年売上高が1,252億元(2兆円)に達した保利はずっと最大手万科の最強なライバルと見られていた。万科が2010年に介護施設に参入すると発表したのと時を同じくして、保利もすぐにこのブルーオーシャンに飛び込んだ。3年後、保利は経営戦略における介護産業のポジションニングを再定義し、将来10年間で介護施設を50箇所まで増やす目標を打ち出した。

保利地産グループ会長の宋広菊によると、保利は丁度いま経営戦略のターニングポイントに差し掛かっており、将来の新たな収益源を開拓する重要な段階にあるという。通常住宅を軸に、適切に商業施設、介護施設などの補完事業を広げることは、今後の農村都市化政策の中で、保利地産は長期的な成長を維持するために取るべき方向であると彼女は言う。

2010年から介護施設に参入して以来、保利地産は北京、広州、成都など5都市で6箇所の介護施設を建設した。保利地産は今後、介護施設の新設と既存住宅の介護施設へのリノベーションを通じて、全国各都市に保利の介護施設を5、6箇所保有することを目標にあげている。

保利地産副総理の胡在新氏によると、国内介護施設ではまだ考えられる収益モデルがないので、保利はいろいろなサービスを組み合せながら独自の“薄利経営モデル”を確立したいという。訪問介護サービスはサービス料で運営コストを賄う。住宅エリア内の介護施設は、時間貸しと有料町内会サービスで収益を確保する。会員制介護施設は会員費で運営コストとバランスを取る。

宋広菊氏によると、今後介護支援サービスも利益が出る分野だという。保利は専門の介護支援チームを使って、在宅介護サービスを提供しようとしている。今後10年で当社は国内主要省の省庁所在地にこのようなチームを配置し、合わせて大規模住宅地内に5万〜10万平米の分譲型介護施設の建設も計画に含まれている。

 

元記事:http://www.bjnews.com.cn/feature/2014/03/12/308791.html

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