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上海自由貿易区の“課題リスト”


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アジアフォーラム2014年の年会で、上海自由貿易区はホットな話題となっている。多くの海外専門家の目には、上海自由貿易区は中国の開放改革の象徴として映る。2014年、上海自由貿易区の課題リストの中で、どんな驚きが期待できるのだろうか?

 

「新」課題リスト、実行期間が短く、透明性が上がった

自由貿易区が動き出してから、“課題リスト”という新しい言い方が段々と聞き慣れた単語になりつつある。しかし、2013年の課題リストに対して、社会からずっと実行期間が長過ぎるとの声が多かった。そのため、2014年の課題リストにはより多くの期待が寄せられている。

最も明らかな変化は実行期間が短くなったこと。上海市政府発展研究センターの周振華主任は、2014年課題リストの実行期間をなんとか40%程度短縮したいと抱負を述べた。

“40%という数字は研究を通して出した値で、最終的にどのぐらい短縮できるのかは、国の拡大開放政策に依存するところが大きく、関連部門と相談しなければならない。”と上海自由貿易区管理委員会の朱民副主任が付け加えた。

2013年の上海自由貿易区は金融、海運など6分野で23項目の開放政策を打ち出した。中央政府の主管部門によれば、今後中国は育児、養老、建築設計と会計監査などのサービスにおける外資規制を緩和し、製造業でも徐々に開放して行く。

朱民は、実行期間の短縮よりも重要な変化は、透明性が高まったことと指摘する。彼は率直に2013年版の課題リストに20余りの項目で具体的な改善措置が明確に記載されていなかったことを認めた。

“例えば、課題リストでは海外商社の米や小麦粉加工への投資を規制するとあるが、一体どんな規制なのか?持ち株比率なのか、生産量なのか、それとも送り込む経営者の割合なのか?もう少し具体的に明記する必要がある。”

そういう意味で、課題リストを修正する過程は、政府による政策実行に対するモニタリングとチェック機能が徐々に強化される過程と見ることもできる。

 

行政機能簡素化のポイントはIT活用

行政機能の改革を加速させることは、国務院(日本の内閣に相当)が上海自由貿易区に求めた最初の条件である。過去半年、上海自由貿易区は行政機能の簡素化で大鉈を振るった。会社登記は現金ベースから見なし入金に変更、企業への監査は年報の公示に変更、税関通関は「通関手続きが先で荷下ろしが後」から、「荷下ろしが先で通関手続きが後」に変更、海外貿易は試験的にワンストップ制度を導入、などなど。

一般的に言えば、行政機能の簡素化改革は先延ばしになればなるほど、実行が難しくなる。なぜなら、残された課題はみんな一筋縄ではいかないものばかりで、また多くの改革には法改正も必要なので、時間もかかる。新たな突破口を見付けるためにはとにかく行動あるのみ。

上海自由貿易区が設立されたあと、シンガポールなど先進国の自由貿易区と比較調査を行ったことがある。上海自由貿易区管理委員会の戴海波常務副主任いわく、“シンガポールは電子政府の導入と高度な情報化によって行政機能の簡素化を図っている。これは我々にとって大きなヒントとなった。行政機能の簡素化は理念だけではイノベーションが生まれない、IT技術を活用しなければならない。”

例えば、上海自由貿易区は率先して国際貿易のワンストップを試験的に導入した。貿易会社は商品リストと見本を1度提出するだけで、検査部門は処理の結果を同じプラットフォームから申請者に返信することで、国際貿易の利便性が大いに改善された。

しかしシンガポールと比べて、我が国の貿易管理の情報化はまだまだ遅れている。シンガポールはすでに海外貿易サイトを構築し、35の行政部門はネット上で行政サービスを提供し、99%の通関業務はネット上だけで完結し、15分で通関手続きが完了する。

 

自由貿易口座、間もなくリリースされる

上海自由貿易区管理委員会の簡大年副主任は、“資本・資金に関わる自由貿易区の開放政策のひとつとして、自由貿易口座が間もなくリリースされるだろう”と述べた。ただ市場は、自由貿易口座のリリースはもう少し早まるのではないかと見ている。

中国銀行上海自由貿易区支店の支店長周和華は、自由貿易口座の管理システムは自由貿易区改革の目玉であると強調する。企業が自由貿易口座を開設すると、海外口座と直接現金のやりとりができるようになり、貿易区内にある海外口座とある程度“融通”が効くようになる。こうすることで、企業が国内外の資金を調達する際の利便性がさらに向上する。

資金調達以外に、投資もそうだ。弘毅投資上海支社の瀋順輝常務副総経理によると、上海自由貿易区の政策のお陰で、弘毅は国境を跨ぐ投資にかかる審査手続は昔の数ヶ月から、いまは4、5日で完了するとのこと。しかし、これらの政策は人民元のみが対象であり、今後自由貿易口座がリリースされれば、企業の越境投資がさらにやりやすくなる。

 

多くの国際版取引サイトの登場は時間の問題

金融改革の試験場として、上海自由貿易区は多くの商品取引場を惹き付け、国際取引のプラットフォームを作る動きが盛んになり、多くの国際版取引サイトの登場はもはや時間の問題である。

“上海金取引場は自由貿易区内に国際取引サイトを構築する案はほぼ確定され、いまは申請手続中である”。これは上海金取引場スポークスマンの顧文硕が言及した最新のスケジュールである。情報筋によると、金取引場の国際版は6月初めにサイトが完成し、第3四半期から正式運用となる見通し。

金取引場だけでなく、上海先物取引場も貿易区内で国際エネルギー取引センターを設立しようとしており、原油先物取引サイトは年内に稼働すると見られる。上海証券取引場、中国金融先物取引場、上海資金決算センターなど、金融の核となる諸取引場はすべて貿易区内で国際版取引サイトを構築する計画を持っている。

ただ、各種“国際版”取引サイトを構築することは、取引場がもうひとつ増えるほど単純ではない。我が国は世界最大規模の金消費量とエネルギー消費量を有しているにも関わらず、これらの価格を決める権利を持たない。“国内商品取引場の取引量は膨大であるが、依然地域に特化した市場であり、世界の投資家を受け入れることができない。輸出への影響力もわずかである”と、中国農業大学の常清教授らの専門家はこう指摘する。国際版取引サイトをきっかけに、国内市場巨大な消費力を背景として、世界市場における価格形成にも影響力を持つための入口になることが期待される。

 

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▲ふたりの会社代表が上海自由貿易区総合サービスコーナーで会社登記の手続きについて相談を受ける。

 

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▲2013年12月4日、上海自由貿易区総合サービスホール内は人で溢れ返る。

 

元記事:http://news.xinhuanet.com/photo/2014-04/15/c_126393813.htm

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