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あるモデルの北京モーターショー


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▲喧噪の中で、国内最大規模の北京モーターショーが始まった。専門家にとってモーターショーは自動車業界将来の方向性を見定める場であるが、普通の庶民にとってモーターショーは、“誰があんな高い車を買うのか?”とか、“車の展示なのか、オッパイの展示なのか分からない!”とかの話題を提供してくれるイベントでしかない。1回のイベントに数えきれない関係者が関与し、それぞれが独自の目線でこのイベントを見ている。このイベントにモデルとして参加する彼女らは、来場者とは違う見方を持っている。では、あるモデルの1日をまるごと密着することで、モーターショーのもうひとつの側面を覗いてみよう。

 

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▲モーターショーの期間中、朝7時半まで会場に到着するために、徐子凡は毎日早朝4時半前後に起床しなければならない。毎日の睡眠時間はわずか5、6時間で、いつも感じることは“眠い”である。

 

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▲あくびが止まらない。徐子凡はほとんど目を閉じたまま1日の支度を始める。多くの人々の想像と違って、モーターショー期間中、モデルたちは睡眠時間をより多く確保するため、起床後、必要最小限の身仕度で済ます。中には、シャワーに入らないひともいる。

 

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▲徐子凡の家に一番多い物はやはり靴だ。おおよそ70、80足ある。“でも、女の子にとって、これは決して多いほうではないのよ!”と彼女は強調する。お金が入ると、徐子凡は決まって好きな靴やカバンを買うという。いい靴を履くと気分がいいし、カバンに対するこだわりは女性の本能だという。

 

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▲洋服に関して徐子凡はあまりこだわらない。動物園近くの問屋街が彼女の行きつけの場所だ。

 

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▲モデルという稼業にとって、化粧品は戦士にとっての武器に等しく、化粧品に使うお金は彼女らの収入の大半を占める。

 

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▲会場で出される毎日代わり映えしない弁当を食べたくないので、徐子凡は家でサンドイッチを作って、それを会場まで持参する。作り方は簡単:卵2つ、トマトスライスを2枚、それをパンに挟めばできあがり。

 

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▲朝食も至って簡単。押し麦に牛乳を入れて浸せば完成。このような朝食は街でクレープを買って食べるよりずっと健康的だと徐子凡は考える。

 

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▲朝食を食べながら、iPadでバラエティー番組を観るのがいい気分転換になる。主にバラエティー番組を観るが、たまにアメリカドラマを観ることもある。例えば、最近人気の「House of Card」、“私はあのような頭が良くて、機転が利く男性が好きです”と彼女。

 

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▲45分の間に、歯磨き、洗顔、朝食などを済ませた頃には、北京の空はようやく明るくなり出した。

 

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▲徐子凡はタバコを吸う。16歳から吸い始め、20歳から徐々に量が増えて行った。彼女によると、初めてタバコを吸ったのは、実家で過ごす旧正月に爆竹を鳴らす時だったという。お父さんは火を付けるために彼女にタバコを渡し、自分のことで忙しいお父さんは邪魔されたくないので、彼女に“行ったり来たりしないで、ひと口吸えば火消えないから”と教えた。

 

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▲出掛ける時、徐子凡はいつもバッグにサンダルを入れている。10数センチもあるハイヒールは歩きにくい。たまにバッグに辛味噌を入れることもある。昼の不味い弁当への対策だという。

 

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▲早朝5時50分、徐子凡は予定通りに家を出る。

 

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▲徐子凡は東第4環状線にある高級アパートに住んでいる。高校の同級生とルームシェアして借りている。60平米あまりで家賃は6500元(10万円)。このアパートは男友達の持ち家で、市場相場だと7000、8000元前後になる。

 

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▲今回のモーターショーは交通費を支給しないので、徐子凡はほかのモデルたち12人とお金を出し合って中型バスをレンタルした。幸い料金はそんなに高くなく、1回のイベントでモデルたちは一人当たり500元(8000円)の負担となる。“タクシーより全然安いから”。今日、彼女は早めに家を出て、途中銀行に寄ってバスのレンタル料金を引き出した。

 

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▲レンタルしたバスは「四恵」で待っている。早朝6時過ぎ、街には人影がほとんどなく、この時間帯にタクシーを拾うのは至難の業だ。

 

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▲幸い、アパートの近くに客を待つ簡易三輪自動車がたくさん止まっているので、彼らが彼女を最寄りの地下鉄駅まで送ってくれる。

 

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▲三輪自動車の料金は1回10元(160円)、10分後、徐子凡は時間通り集合場所の「四恵」に到着した。

 

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▲徐子凡は遅刻が嫌いだ。ほかのモデルたち来るのを待っている間に一服を吸う。モーターショーは非常に疲れるし、ストレスも大きいので、1日で半箱を吸ってしまう。彼女が吸っているのは、女性向けの細いタバコで、吸うとミント味がする。

 

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▲この日、北京はいい天気だった。モデルたちがマスクをしているのは、PM2.5のためではなく、化粧前の素顔を見られたくないからだという。会場近くになると、どこからともなくカメラ小僧が現れることがある。

 

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▲6時半に「呼家楼」で第2グループのモデルたちが乗り込むと、バスは会場に向かって走り出す。この間の約1時間、徐子凡は貪るように仮眠を取る。

 

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▲2007年に上海モーターショーに参加してから、徐子凡が8年連続このような大規模モーターショーに参加している。“このグループの中で、私はもうベテランになってしまった。”

 

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▲控え室は重要な場所だ。ほとんどの出演者はこの20平米足らずの狭い部屋で着替えたり、休憩したりする。最近、モデルの着替えを盗撮するケースが増えているので、控え室の警備体制が年々厳しくなっている。身分証明書がなければ、絶対控え室に入れない。

 

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▲控え室に入ると、真っ先にすることは化粧である。同時に10数名のモデルたちの化粧に対応するため、控え室には常に10数名のメイクアップアーティストが待機している。

 

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▲徐子凡は18歳で自立し、10年あまりの社会人生活で彼女は自分なりのスタイルを確立している。多くの場合、彼女は自分で化粧を行う。

 

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▲モデルたちは1回のステージ出演を“1パート”と言い、徐子凡は今回のモーターショーで1日6パートを担当し、1回の時間は30分で、その間に出番待ちや着替えなどがあるので、残った休憩時間はわずかである。

 

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▲今回トヨタは12名の女性モデルと4名の男性モデルを雇った。北京は文化と産業が集中する街で、全国から夢を追い求めて集まるモデルたちは数えきれないほどで、競争は熾烈さを極める。仕事を断ろうものなら、それにとって代わる人は山ほどいる。徐子凡によると、最近彼女よりひと回り若いモデルに会うこともあるという。まだ30歳前だが、彼女は自分が職業モデルとして生活が晩期に差し掛かっていると実感する。

 

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▲持って来た使い捨てのスリッパが役に立った。

 

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▲3年連続でトヨタのモデルを勤めた徐子凡は、多くのスタッフとは顔見知りになり、中には仲良しになった人もいる。

 

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▲控え室での休憩時間はやることがないので、多くのモデルたちは微博(中国版Twitter)に投稿したり、微信(中国版LINE)で友人とチャットしたりしている。

 

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▲スポットライトの下で、無数のフラッシュを浴びながらも、徐子凡はすでにこの短い時間を楽しむ術を身に付けた。“私の年齢になると、この華やかな世界に惑わされることはなく、仕事と生活をはっきり割り切ることができる。”

 

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▲11時半から12時半はランチタイム。ランチはいつもの弁当で、おかずもいつもの内容だから、徐子凡はあまり食欲が沸かない。

 

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▲この時、家から持って来たサンドイッチの出番が来た。

 

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▲午前2回のステージの間は非常に短く、お昼の時間だけ少し余裕があるので、これを機会にトイレに行く。

 

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▲ステージ上のモデルが観客からいろいろ言われるのは良くあること。悪質な者に対して企業側は厳粛に対応することがある。この点、トヨタはちゃんとしている。モデルにとって、わざとパンチラを撮ったり、モデルを触ったりする観客を一番嫌う。

 

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▲会場の中はとても熱く、巨大な液晶画面の発熱によって、控え室はサウナのようだ。空調もないので、団扇を扇ぐしかない。

 

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▲同僚のモデルたちはステージの合間に控え室で着替えたりする。バックステージに更衣室があるが、すべてのモデルたちが使えるほどの広さはない。一部の衣装は下着を付けてはいけないことになっているので、モデルたちは控え室で裸のまま着替えるしかない。ただし、このスペースは男性モデルと女性モデルたちに限定されており、スタッフさえも入ることは許されない。

 

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▲午後4時、最後のステージが終わると、この日の仕事は終わりとなる。

 

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▲収入はモデルたちの間ではあまり話題にしない。しかし徐子凡は気にしない。マネージャーがいるわけでもなく、中間マージンを抜かれることもないので、1日で彼女は3000元(5万円)を受け取る。北京モーターショーの期間で、彼女は約4万元(65万円)弱の収入を得る。これは彼女が1年間でまとまってもらうお金としてかなり高い金額となる。

 

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▲仕事が終わると、徐子凡がまず行くところは、友人が経営するサロンでスキンケアを受ける。徐子凡いわく:“モデルが年を取ると、進む道は2つある。お金持ちと結婚して専業主婦になるか、何かに投資して事業をやるかだ。”

 

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▲モデルは若い時にしかできない職業だと、この業界に入って10年になる徐子凡は悟っていた。スキンケアにお金を使うことは、自分のモデル人生を伸ばすことでもある。

 

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▲スキンケアが終わる頃は既に夜8時を回っていた。徐子凡はコンビニで惣菜を買い、これは今日の晩御飯になる。

 

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▲前回の恋が終わってから1年以上が過ぎた。徐子凡はもうひとりで御飯を食べる生活に慣れていた。

 

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▲暖かいシャワーを浴びて、1日の疲れを洗い流す。

 

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▲1日の仕事で、一番疲れるのは足だ。

 

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▲徐子凡は年を取るに連れて自分が大きく変わったと実感する。“以前、モーターショーで1日が終わると、夜はこれから始まるって感じで、街に繰り出したり、バーなどを飲み歩いたりしていた”。でも、いまは夜静かに家で本を読むのが好きだという。いま読んでいるのは「耐えられない存在の軽さ」という本だ。

 

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▲モーターショーで立ち仕事は疲労が溜まりやすいので、10時過ぎにはもう徐子凡はベッドに入り、バラエティー番組を観ながら眠くなるのを待つ。翌朝目が覚めると、彼女は再び同じ1日に立ち向かわなければならない。29歳になる彼女にとって、いつまでモーターショーに参加できるのかを知る由もない。“もしかすると、今回が最後になるかも知れない。”

 

元記事:http://auto.qianlong.com/35611/2014/04/28/7924@9575758.htm

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