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中国のECビジネス史を振り返る


筆者:“口袋通”創業者 白鴉

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中国でECサイトが現れ始めてからすでに10年が経過してしまった。元々は消費者がもっと安い商品や、通常買えない物を探しやすくするのが目的だったが、そんな契機からECビジネスは著しい成長を遂げた。

最初の波はECサイトの集中化である。たくさんあったプラットフォームや独立系B2Cサイトは、徐々に淘宝、天猫、京東などの大手に集約されて行った。販売店が利用できるのは、似たようなB2Cモデルだけになってしまった。

天猫にしろ、淘宝にしろ、京東商城にしろ、アマゾンにしろ、唯品会にしろ、それから1号店にしろ、みんなこのモデルである。B2Cサイトには確かに驚くほどアクセスが集まるが、販売店側がアクセス数をコントロールする術がなく、店舗の運命を自分で決めることができない。

第1の波で先行したECサイトが徐々に市場を独占するようになる一方で、新たな流れも起き始めた。例えば、最近は小売サイトが急速に増え、新たなターニングポイントの様相を呈している。これを第2の波と呼び、モバイルSNS型ECサイトの登場である。

まだモバイルSNS型ECサイトは黎明期にあるが、インターネットの世界では、ECサイトが誕生した時からずっと、勝負を決めるのはスピードであった。先に市場シェアを獲得し、エンドユーザーを囲い込めた者が、その後のチャンスを独占できる。

第2波のEC改革がまさに現在進行形であるが、大手が依然市場の主役であり、“低価格”+“ロングテール”の商品構成と価格比較モデルが大きなシェアを占めている。しかし、これらECサイトというプラットフォーム(例えば淘宝や天猫など)や、コミュニケーションのプラットフォーム(例えば、微博、微信など)は、ブランド品の企業にとって大きな武器になる。なぜなら、ECサイトは購買から決済、物流、信用管理などのインフラが成熟していることと、消費者の消費心理も日々成熟しつつあることから、ブランドの“階層化”と消費者ニーズの“セグメント化”が進み、単純に安い商品を追い求めることはなくなった。

販売店にとって、SNSなどのプラットフォームが増えたことで、フォロワー戦略という概念が生まれ、ある日突然、販売店は自分で顧客とアクセス数をコントロールできるようになったと気付く。

 

アクセス獲得から顧客を見付けるまで

経営コストがどんどん上がり、消費者ニーズの個性化が進むこの時代に、経営の角度から見ても、消費者ニーズを把握する角度から見ても、はたまた、将来流動的な市場に適応するためにも、我々は顧客と継続的に信頼できるコミュニケーション・チャンネルを構築しなければならない。そういうすることで初めて顧客のアクセスをコントロールできるようになる。少なく部分的には。

実際、モバイル・ネット販売の初期に殆どの大手販売店には、アクセスを獲得するツールを持ておらず、自社の携帯対応公式サイトもなかった。商品パッケージにQRコードを印刷したり、顧客にDMを送ったりしているが、その効果は微々たるものである。

なぜなら、ネットショップへのアクセス方法は限られており、お金でアクセス数を買うことは販売店が仕方なくやっていることで、その効果も一過性なものである。販売店の顧客獲得競争が熾烈になるに連れ、アクセス数の増やすためのコストは上昇し、ますます割に合わないやり方になって来ている。

多くの販売店にとって、如何に購買プロセスを通して顧客をファンにできるか、または如何に顧客と継続的に交流するチャンネルを築くかが、最も真剣に考えなければならない問題である。販売店はアクセスを増やすためにお金を使う時にこれを自問する必要がある。“これによって得られる購買行動以外に、何をもたしてくれるのか?”

固定客を確保するには、アクセス獲得にお金を使うのではなく、多様なチャンネルを駆使し、既存顧客とターゲット顧客と如何に有効なコミュニケーションができるかがポイントになる。現状を見ると、微信、微博、微淘(淘宝版SNS)などが有効な方法だと言える。

だから、いまでは、小さくて個性的なネットショップのが、突然ブレイクしたりすることがある。これら小規模なネットショップは、大手ECサイトの中では目立つことが難しく、他店舗と同じようにアクセス増にお金を投資しても、店舗が小さいため、コンバージョン率は他店舗より劣ってしまう。

そこで、こういう小規模で個性ある店舗こそ、SNSを使ってきめ細やかに情報発信を通して顧客獲得するのに向いている。SNSの基本情報欄に企業情報や商品のPR情報を表示させることは非常に有効な方法である。また、宣伝の内容でも、独自の個性を充分に発揮することでもっと多くのターゲット顧客を惹き付けることができる。

 

SNS式販促の新たな傾向

いまメディアや業界が注目するビッグデータは、大規模なポータルサイトが取り扱うデータのことである。いち販売店にとって、顧客が何を欲しがっているか、何を好むのかを知るには、ビッグデータに頼るまでもない。数千人のフォロワーがいれば、そこから彼らのニーズや好みを知ることができる。それを活用すれば、充分効率的な店舗運営が可能である。覚えて欲しいのは、ビッグデータは手段であり、目的ではないということを。

販売店自身のビッグデータを集めるツールとして、SNSを活用するのは最新のトレンドである。微信の公式アカウント、微博の法人アカウントなどは現在利用可能な有効は方法である。インターネットはSNSの時代に入り、ネットショッピングも徐々に細分化し始めている。検索から購買に至るまでのプロセスはもう唯一無二のプロセスではなくなり、逆にその影が日に日に薄くなっている。SNSの有効活用こそ、新たなチャンスを獲得する大切なアプローチである。

しかし、現状ではSNSサイトを運営する中小企業の多くが直面する課題は、分かっているけど行動できないという問題である。あまりにも短期的な利益を追い求め過ぎて、長期的な投資に目を向けようとしない。SNS運営には決まったパターンはない。各企業が自社の戦略やコンセプトに合わせて、その時々に有効な方法で臨機応変に進めなければならない。

ネットショップ10年史を振り返ると、全てのチャンス、成功と失敗は、その決定的要素はスピードである。今後はモバイルEC、このまだ新しいビジネス環境の中では、広告による販促からすごい速さでインタラクティブな販促に移行しつつあり、ブランド戦略はフォロワー戦略に進化しつつある。

売る商品が物であれ、サービスであれ、各企業には自社のファンとファンと交流するコミュニティーーネットショップが必要である。クローズドなコミュニティは強力な販売チャンネルであるだけでなく、ブランドとそのファンが交流するのに最もふさわしい場所でもある。

“消費者がいるところに行って、彼らと友達になる”、これは私が常に言っていることである。よく考えて見れば、これは丁度モバイルECの基本概念とも合致する。

 

元記事:http://i.wshang.com/Post/Default/Index/pid/34343.html

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