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女子大生アニメで京都大学合格


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張爽の周りはよく彼女が日本語と縁があると言う。日本語を勉強するのに、日本語学校に行ったこともなく、日本語の教材を買ったこともない。彼女は小さい時からアニメを観るのが好きで、アニメの主題歌を歌って日本語を覚えた。高校の時に日本語能力試験N1に合格した。

張爽の母親は福州外国語学校の教師をしており、母親の同僚は張爽がアニメで日本語を覚えたのを聞き、彼女は日本語の才能があり、日本に留学すべきだと勧めた。

始めの頃、アニメの中国語字幕を見ながら、日本語の台詞を聞いていた。そのうち、徐々に日本語が分かるようになった。張爽は歌もうまいので、日本語の歌詞をたくさん覚えた。その後、有名な志向塾に入学すると、クラスメイトは彼女に日本語はどこで覚えたと尋ねると、彼女は少し得意げに、“私は日本語の歌詞を全部暗記したのよ。歌詞本は試験問題集よりも厚いんだから”と答えた。アニメの歌で日本語を覚えた裏には、彼女の人一倍の努力と執着があった。

張爽は中学生の時は福州外国語学校に通い、高校は福建省で一番の進学校福州第一中学校(注:中国では中学校と高校を中学校と呼ぶ)だった。その時すでに日本留学を決意していたが、それでも彼女は大学入試を受けて、合格ラインを超える成績を収めた。彼女は照れながら言った、“お母さんに恥をかかせるわけには行かないから、ちゃんとした成績を取らないとね!”

高校卒業後、張爽は家近くの日本人が経営するラーメン屋で2ヶ月間アルバイトをして、オーナーとずっと日本語で会話していた。この頃は、日本留学前の日本人と日本語で交流できた楽しいひと時だった。

 

塾で恩師と出会う

語学学校の友人の紹介で、2013年3月に張爽は名門の志向塾に入学し、6月の留学模擬試験はもうすぐだった。塾に入ったあと、校内の張りつめた雰囲気に彼女も気持ちを引き締め、躊躇なく理系課程を選んだ。

張爽は塾で生物を教える王卉先生を“恩師”と呼び、“王先生の授業はすごく分かりやすいの。こんな先生に巡り会えるなんて、私はとってもラッキーだわ。”

留学試験の理科で張爽は物理と生物を選択した。留学試験の生物は国内の授業内容とはだいぶ違う。彼女は感慨深げに振り返る:“王先生は単刀直入に本題に入り、私たちに中国と日本の高校で教える生物の共通点と相違点を教えてくれた。王先生は教え方はとても丁寧で、私たちに試験問題の攻略方法を教えてくれた。留学試験の生物問題、その三分の一は国内の授業と内容が異なるので、中には国内で全く教えない内容もある。一部には国内の中学生物の内容も含まれたりするので、復習しながらさらに掘り下げて勉強しなければならなかった。”

張爽は6月の留学模擬試験で、日本語は満点の370点を取り、合計で640点あまりだった。彼女は試験を振り返り、日本語は勉強しなくても、もっと自分が不得意な理科を勉強すれば良かったと反省する。11月の留学模擬試験でも、彼女は日本語で満点の370点を取り、合計点数が724点で、6月の試験より80点も上がった。

 

目標は国立大学

張爽は千葉大学、御茶ノ水大学、北海道大学、京都大学の4国立大学の入学試験を受け、最終結果は2勝2敗だった。独自の価値観を持っている張爽は私立大学を全く受験の対象と考えていなかった。彼女は国立大学を志向し、私立大学は経済的にも負担が大きかった。高校の時から、張爽は日本の国立大学について調べ始め、本棚に“北大”の二文字貼り、それは北海道大学を意味していた。

受験は決して順風満帆ではなく、1校目の北海道大学は書類審査で落ちた。張爽はガッカリしたが、あとで冷静に考えて自分に運がなかったと考えるようにした。

2校目は御茶ノ水女子大学の生活科学部食物栄養学科で、張爽は難しかったと振り返る。この大学は留学生向けの問題を用意せず、留学生は日本人学生と同じ問題を解かなければならなかった。筆記試験は数学、英語と理科の中で物理、化学、生物からひとつを選ぶ。この大学の入学試験をクリアすることはできなかったが、留学生が全くハンディをもらえなかったので、この経験を後輩たちの参考になればいいと張爽は素直に述べた。

3校目は千葉大学の園芸学科を受け、試験は面接試験だけだった。教授の質問はありきたりの内容で、なぜこの大学に応募したのか、なぜこの学科を選んだのかなどを聞いて来た。張爽が流暢な日本語を喋るので、教授は“日本語はどうやって覚えたのか”と驚いていた。そして、張爽は初めて日本の国立大学に合格する喜びを味わった。

張爽の最後の挑戦は、最も行きたかった京都大学である。2月28日に筆記試験があり、試験問題の理科は3科目から2科目を選択する方式だった。張爽が当時を振り返ると、問題はそんなに難しくなく、留学試験とあまり変わらなかったという。ただ、生物は少し細かい問題があった。例えば、科学者はどんな動物を使ってDNA実験を行ったか、など。受験生がちゃんと基礎知識を身に付けていることが求められる。

当日午後の面接試験で、教授は専攻科目に関する質問を行った。主に学生の志願書に書かれている内容と学生の回答をベースにヒヤリングが行われた。張爽は志願書の中で将来品種改良の研究をしたいと書いたので、教授は品種改良について幾つかの質問をした。

志願書の志望動機に、張爽は中国の食品問題が心配だと書いた。そこで教授は“身近のどんな出来事があなたをそう心配させたのか?”と聞いた。張爽は“日本でアルバイトしている時、日本の野菜はちょっと水洗いすれば食べられるのを知って、それに比べて、中国人は野菜を買って帰ると、水の中に10分程度浸けて、農薬を洗い流したあと、洗剤で洗わなければならない”と答えた。

面接は和やかな雰囲気の中で行われた。教授たちも時たま笑い声をあげ、張爽も全く緊張することなく、いつもの自分を発揮することができた。彼女の流暢な日本語は教授たちを驚かせた。面接後、ドアを出る時、背後からまた爆笑に近い笑い声が聞こえた。張爽は、これらの教授たちはきっと関西人だ、めっちゃ明るいと思った。

張爽自身もすごく明るい子で、飾らない関西人と一緒にいることは、彼女の性格に合っていた。彼女いわく、性格が合う人が好き、国籍は関係ない。

 

アマチュア歌手の挑戦

京都大学農学部の研究水準は世界の中でもトップレベルであり、張爽が入ったのは農学部資源生命科学科だった。理系の女子でありながら、彼女は機械に興味がなく、動植物など命の個体に興味がある。彼女はかつて獣医になろうとしたこともあった。資源生命学科で勉強すれば、将来的に食品会社、政府の農林水産部門、研究所などへの就職が可能だ。

大都会東京で1年ほど生活したことがある張爽は、東京の人は比較的に冷たく、東京での生活も非常にストレスが多いと思った。京都に行くと、全く印象が変わった。京都の人々はいつも笑みを絶やさない。

張爽の趣味は歌。ネットではちょっとした有名歌手である。去年、彼女は日本で有名なアニメ歌手大会(Animax Anison Grand Prix.)に参加した。毎年約1万人が応募し、毎年この大会から有名になった歌手がいる。張爽も第2回大会の優勝者が外国人だと聞いた。

張爽はピカチュウの歌で、録音による1次選考を通過した400人の中のひとりになった。しかし、残念ながら2次選考のステージ選考で落選した。しかし、張爽は諦めない。彼女はまた挑戦し続けるという。

“自分を信じ、簡単に諦めない。チャレンジを続ければ、いつかは成功する”。これは張爽の素直な気持ちである。大学受験でも歌でも、彼女はいつも笑みを絶やさず楽しんでいる。

 

元記事:http://xw.feedss.com/show/index?newsid=24004

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