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真相:日本企業独禁法違反摘発の一部始終


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海外に行ってまで日本企業の違反行為を調べることはできない。しかし、液晶パネルの製造メーカーを調査する過程で、台湾の“お友達”を離反させることに成功してから、国家発展改革委員会独占禁止取締局の執行官は再び“寛大な”姿勢を見せ、処罰を免除する代わりに自ら違反行為を告発する企業を見付けた。

今回は、日立オートモーティブシステムズと不二越が率先して重要証拠を提供したことで、独占禁止取締局は一枚岩のはずだった日本企業のカルテル連合に調査の突破口を見付けた。これをキッカケに、執行官たちは関係者に逐一ヒヤリングを行いながら、聴取した内容を関連資料と照合する作業を根気よく続けた。4ヶ月以上に渡る調査の結果、自動車部品メーカー8社とベアリングメーカー4社による価格カルテルの実態を把握し、充分な証拠を揃えた。

8月20日、発展改革委員会はこれら12社の日系自動車部品メーカーによる価格カルテル行為に対して処罰を下し、罰金総額は12.354億元(208億円)で、中国独禁法史上最高額の罰金となった。
■断固とした取り締まりが日系企業に自首を決心させた

“この案件は国際的なカルテル行為だ。捜査段階で最も難しかったのは、多くの違反行為は海外で行われており、我々は現場で証拠を抑えることができなかった。”

独占禁止取締局の責任者によると、自力で充分な証拠を入手できない状況の中、法的責任の複合的な運用と司法取引が国際カルテルを取り調べる段階で重要な意味を持つことになる。

“独禁法違反に対する処罰はどこの国でも非常に厳しい”、だから処罰の免除は、違反企業にとって決算上大きな意味を持つことになり、そこからカルテル連合に亀裂が生じた。

2011年末、国家発展改革委員会は自動車とその部品メーカーに対して独禁法違反の調査を開始した。中国では、これまで独禁法違反の事例がないため、当時すでにアメリカと日本で“自首”した日本企業も、中国で“自首”する企業は全くなかった。

しかし、電気通信から液晶パネルまで、中国白酒から粉ミルクまで、独占禁止取締局が度々取り調べを断行し、法に基づき違反行為を容赦なく処罰しているのを見て、一部の日本企業は自分たちが独禁法違反で調べられるかも知れないと危機感を抱くようになった。

前述の執行官によると、2014年4月2日、日立オートモーティブシステムズは自社業務を内部調査した結果、違反行為があったと判断したことから、自主的に国家発展改革委員会にそのことを報告した。彼らは自動車メーカーからの見積依頼書、競争他社との間で行われた価格協議の方法、時間と場所をすべて報告し、合わせて証拠資料を提出した。ここから、日本自動車部品メーカーの独禁法違反の闇が徐々に明るみに出た。

 

■50名の日本人社員が調査を受けた

突破口を切り開いたあと、独占禁止取締局の執行官たちは調査に必要な資料リストと、ヒヤリング項目を用意し、関与の疑いがある企業に調査執行通知書を送った。“一部の企業は通知書を送る前にすでに自首していた。一部の企業は自首こそしなかったものの、調査段階において、我々が把握した証拠を知って、ほぼ隠すことなく資料を提出した”。

前述の執行官によると、執行官たちは膨大の時間を使い、各企業から提供された資料を繰り返し照合したという。“我々と一部の企業とのやりとりは3、4回にも上り、情報を細分化し、細かいところまで裏を取ることで、最終的に事実を確定させることができた。”

膨大な資料以外に、調査対象期間が長いことも、この調査を難しくした。前述の責任者によると、多くの帳票は日付が2013年末となっており、入札時の談合が行われた時期は2000年前後にまで遡らなければならない可能性があり、その時の担当者はほとんど離職していた。

このような状況の中で、独占禁止取締局は関与した疑いのある企業に対して、1社あたり価格調整に携わった社員3、4名と担当役員をヒヤリングを受けに北京に来るように要請した。“結局、合計50名ほどがヒヤリングを受けた。来れなかった人も書面で陳述書を提出した。”

充分な証拠を掴んだあと、国家発展改革委員会は20日、自動車部品とベアリングの価格カルテルを行った日本企業12社に対して、12.354億元の罰金を命じた。事前に重要情報を提供した日立オートモーティブシステムズと株式会社不二越に対して、処罰を免除した。

 

■価格カルテルの手口

独占禁止取締局によると、2000年1月から2010年2月までの期間中、日立オートモーティブシステムズ、日本電装、愛三工業、三菱電機、ミツバ、矢崎総業、古河電工、住友電工など、日本の自動車部品メーカー8社が、価格を事前に協議する手法で価格操作をしていたという。

“自動車メーカーが新型車を開発する際、部品調達先を選定するが、選定方法は複数社に対して見積を依頼する”と、ある執行官は紹介した。調査では、見積依頼をもらうと、部品メーカーは2社間または複数社間で談合し、部品調達を“分配”していたことが分かった。

決められた“分配”が実行されるように、入札する企業は入札価格に決められた差額を付けていた。“分配”を受けた企業は最低価格を出し、当て馬になる企業はそれより高い価格で入札する。その後も、各企業間で価格調整のために密に連絡を取り合う。

記者は3企業が談合入札した際の資料を見た。資料には30あまりの部品の型番がリストアップされているが、3社はそれぞれ部品番号の最後に“1”、“2”、“3”の数字を入れている。

3社の談合で“配分”を受けた企業は、部品番号の最後に“1”を付ける。ほかの“当て馬”2社はそれぞれ“2”か“3”を付ける。“1”、“2”、“3”は入札価格の低い順となっている。

“日本車の部品を仕入れる時、ほとんど価格で決まる”。そのため、これら談合は90%以上が通常入札という形でうまく行く。

部品仕入れから車が発売されるまで、通常5年前後かかるため、2013年末まで、ずっと談合によって決められた値段で部品が市場に流通していた。

 

■発覚防止にメールに“閲覧後削除”と記載

独占禁止取締局の調査によると、2000年から2011年3月までの期間、不二越、日本精工、JTKET、NTNのベアリング4社が頻繁に集まり、中国輸出を担当する営業部長クラスの幹部を日本で開催するアジア地域研修会に出席させ、会議では中国市場を含むアジア市場におけるベアリング価格の変動について情報交換していた。会議は各社が持ち回りで開催し、価格を変動させたい時は、2、3ヶ月に1回の割合で開催していた。通常時は1、2年に1回の割合で開催する。

このほか、値上げを共同に進めるため、2004年7月から2011年6月の間、JTKETの提案により、4社は上海で輸出事業会議を開催し、中国に駐在するベアリング関連会社の責任者たちが参加し、中国市場の工業用ベアリングと自動車用ベアリングの値上げ時期、値上げ幅、生産量及び値上げ実施状況などセンシティブな事柄について情報交換した。

2006年5月、会議では製品の価格を決め、各企業の値上げ時期をずらした。2008年1月、会議では、値上げ状況について情報交換し、4社は一部の製品に対して4%の値上げを実施した。当年5月、数社が再び値上げを申し合わせ、販売代理店に北京オリンピックの前に確実に実行するよう要請した。

調査の中で、これら会社のサーバーから大量に削除された電子メールを復元し、値上げ幅の調整に関するメールの最後には必ず“閲覧後削除”と明記していた。つまり、彼らも違法行為と認識したうえで行っていたことが分かる。

 

元記事:http://finance.cnr.cn/gundong/201408/t20140824_516286706.shtml

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